【凱旋門賞】マカヒキ世界制圧デモ!ノーステッキで1馬身半先着
「凱旋門賞・仏G1」(10月2日、シャンティイ)
日本馬初の快挙へ、態勢は万全だ。日本ダービー馬マカヒキが27日、大一番へ向けて最終追い切りを行った。ルメールを背に、シャンティイ調教場のエーグル芝周回コースに登場。8Fから発進すると、僚馬マイフリヴァを2馬身追走し、最後ははじけるような末脚で1馬身半先着を決めた。海外馬券発売の第1弾。この動きを見せられては“応援”ではなく、勝負馬券からも外せない!?
広大な敷地内を支配した独特な緊張感。マカヒキは自らの力強い蹄音で、その空気を一変させた。最終リハは、ルメールを背にエーグル調教場の芝周回コース。8Fから遠征に帯同する僚馬のマイフリヴァ(牡5歳)を2馬身追走する形でスピードを上げると、1完歩ごとに差を詰める。直線で鞍上が軽く手綱を押して合図を送ると、外から一気にパートナーをのみ込む。最後はノーステッキのまま、あっさりと1馬身半の先着を決めた。
長めの距離からの追い切りで心肺機能に負荷はかけたが、日本での調整と同様、当該週はオーバーワークにならないように調整。鞍上は「ニエル賞の追い切りにも乗ったけど、その時よりも良くなった。この馬は内に秘めたものを外に出さないので、少し強く追ったが、十分に応えた。しっかりと準備はできた」とキッパリ。「肌の状態もいいし、筋肉もついて血管の浮き具合も非常にいい。楽しみ」と声を弾ませた。
一丸でここまでたどり着いた。最終リハや、使用する調教場、追い切る曜日。全てをチームで協議し、最善と思える道を模索してきた。今やJRAで関西のリーディングジョッキー、母国フランスの競馬をよく知るルメールも積極的に進言。「調教師は日本人だが、私はフランス人。勝てば日本馬も初だが、僕自身も初めて凱旋門賞を勝つことになる。けど、どちらの勝利でもない。チームの勝利だ」と力を込める。
自身は過去に8回挑戦し、06年プライドの2着が最高。悲願達成へと高ぶる気持ちを抑えるように、「全てがうまくいっている。このまま落ち着いてレースまで向かえれば」と言葉を紡いだ。
凱旋門賞制覇は、自身と日本競馬の“夢の交差点”。「自信がある。勝てると思う。ぜひ見てください」-。ルメールは自らを鼓舞するように言い切った。世界制覇の瞬間は目の前に迫っている。