「アルゼンチン共和国杯・Ｇ２」（６日、東京）

　態勢万全だ。重賞２勝目を狙うシュヴァルグランが２日、栗東ＣＷで最終リハ。併せた僚馬にやや遅れたものの、しっかりと負荷をかけられて仕上がり良好。当初予定していた始動戦を自重し、状態は格段にアップした。異父姉はヴィルシーナ、異父妹はヴィブロスという良血。Ｇ１ロードを見据え、ここで存在感を示したいところだ。

　当初、始動戦と定めていた京都大賞典を見送り、放牧先で良化を待つ。軌道修正を迫られる決断を下した指揮官。だが、勇気あるその采配が上昇曲線を生み出した。１カ月という時間を有効に使ったシュヴァルグランが、意欲的な内容のメニューをこなして臨戦態勢を整えた。

　栗東ＣＷでアドマイヤロケット（４歳５００万下）を追走してのリハーサル。３～４角で差を詰め、直線は内へ。手応えで見劣り、約１馬身遅れてのフィニッシュとなったが、しっかりと負荷はかかった。タイムは６Ｆ８０秒７－３９秒９－１３秒３。「前半は速かったですからね。攻め馬はこんな感じのタイプ。本数はやっていますから、レースに向けては十分」。騎乗した福永は冷静に受け止め、前を向いた。

　前走の宝塚記念（９着）は暑さに加えて、天皇賞・春（３着）を激走した影響も残っていたという。「調教は未勝利に負けるぐらいですからね。すぐに息も入っていましたから、心配はしていません。京都大賞典をパスすることになりましたがその分、疲れも取れて、トモの張りも良くなり、力強さも感じますからね」。右肩上がりの現状。追い切りを見届けた友道師は、確かな手応えを口にした。

　左回りは未経験だが、「気にする馬ではないでしょう」とトレーナーは信頼を寄せる。この後はジャパンＣ（２７日・東京）から有馬記念（１２月２５日・中山）へ。まずは存在感を示して、王道を突き進む。