【JC】23歳ブドーがイラプトをVへ導く “欧州最多勝”記録の若き天才
「ジャパンカップ・G1」(27日、東京)
1年前は直線で狭くなる不利がありながら、勝ち馬ショウナンパンドラから0秒3差の6着だった。状態、枠番、名手を確保。昨年のリベンジへ、態勢は完全に整った。イラプトが逆襲に燃えている。
前日の会見で「与えられた枠番で頑張るだけ」と口にしたグラファール師。一夜明けた25日朝、報道陣に改めて昨年と同じ4枠8番について聞かれ、「操作できないからきのうはそう答えたんだ。でも本当はパーフェクト。外過ぎず、内過ぎずね」と思わずニヤリだ。
そしてVへのキーマンとなるのがブドー。22日に今年275勝目を挙げ、欧州の年間最多勝記録を更新した23歳の若き天才だ。「ウチの厩舎で主戦騎手。(12戦中11戦で手綱を取る)パスキエが今回は乗れないから、彼を選ぶのは自然だよ。(勝った)デビュー戦でも乗っているから」と鞍上スイッチの理由を答えた後、滑らかな口調で魅力について語る。
「才能あふれる騎手。位置取りも上手だが、一番いいバランスの時に“行け”と指示を出せる。だから馬が気持ち良く走るんだ」。14年に来日した際には体重管理を失敗。ブーツを脱いで騎乗したことで有名だが、2年の時を経て欧州トップジョッキーに登り詰めた。
この日は東京ダートで強めのキャンターを消化。「仕上がりには満足」と万全の出来をアピールした。フランスからの刺客が、日に日に不気味さを増している。