【朝日杯FS】武豊タガノアシュラで偉業 前人未到JRA平地G1完全制覇へM1
「朝日杯FS・G1」(18日、阪神)
残るピースは朝日杯FSだけ。史上初のJRA平地G1完全制覇まで“あとひとつ”と迫る武豊は、タガノアシュラとのコンビで偉業達成に挑む。パートナーは14日、栗東坂路の追い切りで力強い動きを披露。Vを意識できるだけの仕上げが施された。
まさに前人未到。競馬界の記録男が新たな偉業達成に挑む。JRA平地G122レースの完全制覇まで“残りひとつ”に迫る武豊が、朝日杯FSでコンプリートを狙う。
同レース17度目の挑戦となる今年、コンビを組むのはタガノアシュラだ。国分恭が騎乗した追い切りは栗東坂路で単走追い。力強いフットワークで4F53秒3-38秒9-12秒5をマークした。五十嵐師は「“ねっきり、はっきり”ではなく、お釣りを残した。落ち着きもあるし、いいんじゃないかな」と納得の表情。主戦の記録が懸かっているのは承知の上。「夢がある。(記録達成に)参加できるのはうれしいね。もちろん、色気はある」。いい状態でバトンを渡せることに胸を張った。
武豊は出遅れて8着に敗れた札幌2歳S、逃げ切りで完勝した黄菊賞の前2走で騎乗した。「頭数が少なかったし、展開にも恵まれたけど、前走が強かった。気分良く走れたからね」。ダービー馬となった12年キズナを筆頭に、過去10年の勝ち馬6頭が重賞ウイナーにとなっている“出世レース”の黄菊賞Vを振り返ると、「18頭のフルゲートでどうなるか分からないけど、機嫌を損ねないように乗って。速い馬もいるだろうし、逃げたいわけじゃない。気分良く走らせたい」と表情を引き締めた。
今年はフランケル産駒の牝馬ミスエルテの参戦が注目を集めるが、「牝馬が本命になることが珍しいからね。まだ分からない。2歳だから」とけん制。「2勝の勝ちっぷりがいいだけに、(自分の馬も)一発を秘めているかなと思う」とライバル撃破に力を込めた。
JRA・G1、22レースのうち21を制し、計71勝と歴代最多勝記録を持つ。唯一、勝利のない朝日杯FSは昨年、単勝1・5倍の断然人気に推されたエアスピネルで2着に敗れた。「惜しかった。昨年は大本命で今年は伏兵。できたらうれしいですけどね。来年になると(G1が増えて)あと二つになるから、1回やっておきたい」。この男に不可能はない。まずは今年中に全G1制覇を決め、来年さらに増えるG1をひとつずつつぶしていく構えだ。