【朝日杯FS】勝ち馬サトノアレスの完成度が光った一戦
「朝日杯FS・G1」(18日、阪神)
追い風に乗っての戴冠だ。6番人気のサトノアレスが直線、外を力強く伸びて完勝した。先週の阪神JFでは、同じ藤沢和雄厩舎のソウルスターリングが人気に応えたが、僚馬に続いて見事2歳G1タイトルをもぎ取った。
今年は牝馬のミスエルテが1番人気に推されるほど、戦前から牡馬の評価が低かった。レース後の検量室は、いかにも2歳戦のあとという雰囲気。「イレ込みがきつい」「距離が長い」「ダートの方がいい」…。手探り状態の馬が多く参戦するなかで、夏の札幌から着実に経験を重ねてきたサトノアレスの完成度の高さは光った。
前半3Fの通過が35秒6というスローペース。この馬自身も多少行きたがっていたが、【8】枠(17)番から前に壁をつくらない形でも折り合いがついたのは、大舞台で大きなアドバンテージとなった。
直線は、現段階で芝のマイルに適性のない馬が脱落し、分かりやすい瞬発力勝負に。勝ち馬の上がり3Fが34秒1で、2着馬はメンバー最速の34秒0。これに続いたのが、後方待機の12着アシャカリアンの34秒6だから、いかに上位2頭の瞬発力が他を上回っていたかが分かる。
ただし、ペースを差し引いても、良馬場での勝ち時計1分35秒4は物足りず、まだ絶対的な存在とは言い切れない。今後、新たなスター候補が続々と現れそうな予感はある。