【有馬記念】キタサンブラック粘って2着“ブラック包囲網”に屈す
「有馬記念・G1」(25日、中山)
あと一完歩、栄冠には届かなかった。2番手から力強く抜け出した2番人気のキタサンブラックは、直線で驚異的な粘りを見せたが、ゴール寸前でサトノダイヤモンドの強襲に首差屈した。昨年の3着に続き、グランプリ・タイトル奪取はならなかったが、今年はG12勝と飛躍の一年だった。来年は海外遠征も視野に、さらに活躍の場を広げていく。終面にダイヤ&ルメール
つかみかけたビッグタイトルが、あとわずかのところですり抜けてしまった。
2番手で運んだキタサンブラックは4コーナーで堂々と先頭へ。武豊の右ステッキを合図に内ラチ沿いから力強く末脚を伸ばし、直後から迫る昨年の覇者ゴールドアクターを差し返す。最後の急坂もクリアし、栄光のゴールはもう目前だ。最後の力を振り絞り、懸命に四肢を伸ばして粘り込みを図る。ところが猛追してきたサトノダイヤモンドに、最後の最後で首差屈した。
鞍上は「全部勝つのは難しい。位置取りは想定通りだったが、サトノノブレスにつつかれてしまった」と努めて冷静に振り返る。向正面で、外にいた勝ち馬と同馬主の僚馬からプレッシャーをかけられる形。3角では“フランス語の会話が聞こえた”と証言するジョッキーもいたほど。厳しい“ブラック包囲網”に「複雑だね。その中でも頑張ってやらないといけないんだろうけどね」と表情は険しかった。
ただ、今年はともに6戦を戦い、天皇賞・春、ジャパンC制覇を含む〈3・2・1・0〉と大活躍。「この馬らしいしぶとさは出せたし、状態も良かった。今年を振り返れば、よく頑張って走ってくれた」とパートナーをたたえる。清水久師も「もちろん勝ちたかったし負けたら悔しいですが、仕方がない。まだ伸びしろもありそうだし、まだ強くなると思う。どんどん鍛えたい」と前を見据えた。
来年はドバイシーマクラシック、凱旋門賞など海外遠征も視野に入る。師は「これからオーナーと相談して、ですね。海外は豊さんも詳しいですから」と、じっくり“夢プラン”を練り上げる方針だ。「来年も頑張りたいね」と気持ちを切り替えた鞍上。海外V、そして有馬でリベンジへ-。ユタカ&ブラックは大志を抱き、さらなる飛躍を目指す。