【安田記念】グレーターロンドン反応抜群4馬身先着!出否判断は持ち越し
「安田記念・G1」(4日、東京)
出否の動向が注目される5連勝中のディープインパクト産駒グレーターロンドンが5月31日、栗東から駆け付けた福永を背に美浦Wで最終追い切りを行った。中間に持病のある爪に不安が出たものの、2週続けての併せ馬で懸命に太め残り解消に尽力。最終判断はきょう1日に持ち越されたが、順調なら出走する見込みだ。一方、マイラーズCで2年7カ月ぶりVを決めた古豪イスラボニータも美浦Wの併せ馬で躍動。JRA史上初の4週連続G1制覇を狙うルメールとのコンビで、14年皐月賞以来のG1制覇を狙う。
馬の状態優先-。レースに合わせて馬をつくるのではなく、いい状態のときに使えるレースを選ぶ。グレーターロンドンについて窪田オーナーと大竹師が貫いてきたこの“大原則”は曲げない。
だが、この春のマイル王決定戦がその「いいときに使うレース」であるならば、G1なりの攻めた調教は必要だ。蹄葉炎からカムバックを果たして以降、脚元に気を使い続けてきたが、美浦Wでの最終追い切りは、25日の1週前に続いてハードな併せ馬になった。
栗東から駆け付けた福永を背に、先行するソルオリーヴァ(3歳未勝利)、追走するプエルト(5歳500万下)と3頭の1馬身縦列で駆けだし、4角ではぴったり挟まれて最大限のプレッシャーを受ける。そこから気合をつけられると、目の覚めるような反応で一気に4馬身突き抜けた。
4F51秒3-36秒7-12秒1の時計に「いい調教ができたよ。操作性が高くてイメージより乗りやすい。姉(ダイワエルシエーロ)とはタイプが違うけど体がしっかりしている。パワー型だけど芝の走りもいいはず」。初めてまたがった福永は主戦を務めた04年オークス馬とも比較しながら、手に残った好感触を表した。
大竹師は「蹄のこともあるので(出否は)見極めた上で判断」といつものように慎重だが、追い切りに関しては「動きは合格点。しっかり負荷がかけられた」と評価した。
初重賞挑戦がG1、もまれる競馬も未経験、持ち時計…。トレーナーは課題を並べたが、最大の鍵は体重か。「きのう(30日)の段階で前走比プラス13キロ(=485キロ)。どこまで絞れるか」。5月10日に追い切りを行ったあとに爪の不安が出たため、2週前追い切りができず、その影響で増えたという。
「いずれG1にふさわしい馬ならば、経験していかなければならない」と師。あくまで出否は状態本位。逆に言えば、出走してくれば状態に不安がなくなったということになる。目下5連勝中の7戦6勝馬が出走するか否かで、レースの様相が大きく変わりそうだ。