【開成山特別】オジュウチョウサンは平地でも強いのか? 熊沢「別もの、甘くない」
「開成山特別」(7日、福島)
J・G1・5勝馬オジュウチョウサン(牡7歳、美浦・和田郎)が約4年8カ月ぶりに平地レースにチャレンジ。この世紀の一戦を前に、平地&障害G1覇者である熊沢重文騎手(50)=栗東・フリー=が最強ジャンパーを忖度なく分析した。“二刀流ジョッキー”は果たしてどんなジャッジを下すのか-。
91年有馬記念(ダイユウサク)など平地G1・3勝を挙げる一方で、J・G1は12年中山大障害(マーベラスカイザー)をV。平地、障害どちらも知る熊沢が、ハードル界の絶対王者オジュウチョウサンの平地参戦を分析した。
平地と障害は飛越以外にも大きな違いがあるという。分かりやすいのはペースの差だ。障害のラップは平均1Fの数値がJRAから発表される。「大体が13秒台後半。時計の速い新潟でも13秒台前半ぐらい。平地を11秒台のラップで走っていた馬が、13秒台だと楽だなって感じる。そういう馬はタメが利く」。開成山特別の過去10年を振り返っても、平均ラップは12秒2~12秒4。障害とは1秒近い差がある。
果たして、オジュウは勝てるのか。二刀流ジョッキーは「乗ったことがないから分からない部分も」と前置きしつつ、「ペースの違う平地で同じことができるのか。全く別ものと考えた方がいいし、普通はまず通用しない」とジャッジした。
「障害を使って、体つきが変わる馬は多い。オジュウチョウサンはバランスが良くなって、平地に使った頃よりも力をつけている。障害を走ったあと、平地でポンポンと勝つ馬もいるから」と、期待できる部分がゼロとは言えないが、「興味深いし、無事に走ってほしい。でも、甘くはないと思う」が熊沢の忖度なき結論。最強ジャンパーの歴史的挑戦を応援しても、馬券的見地からは“ナシ”が正解なのかもしれない。