【有馬記念】オジュウチョウサン夢の6冠へ 超強気!長山オーナーにインタビュー

 オジュウチョウサンへの思いを語る長山尚義オーナー
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 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 異色の挑戦者で終わるのか、それとも究極の二刀流ホース誕生か!?障害G1、5勝を誇るハードル界の絶対王者オジュウチョウサンが、常識を覆す空前絶後かつ、前代未聞のチャレンジに挑む。同馬を所有する長山尚義オーナー(73)=(株)エース事務機代表取締役会長=が、有馬記念挑戦に至った経緯や今後のプランなど、熱い思いを語った。

  ◇  ◇

 この春の中山GJで障害G1、5連勝を達成したオジュウチョウサン。まさか年末の有馬記念の出走メンバーに名を連ねることを誰が想像しただろう。再挑戦した平地戦で連勝を決め、夢のプラン実現にこぎ着けた。しかも、堂々のファン投票3位での選出。長山オーナーの口調にも自然と熱が帯びる。

 「ありがたいことだよね。(ファン投票)10万票なんて、いつもの年ならトップでしょう。昨年は10万票を超えたのは1位のキタサンブラックだけだから。本当に感謝しています」

 -登録メンバーを見て。

 「ライバルはいないな。僕はいつも自分の馬の単勝馬券しか買わないから。今回はオッズも10倍くらいつくんじゃないか」

 -平地の2連勝をどう見ているか。

 「勝つのは分かっていた。でも、さすがは武君だね。ただ勝つだけじゃないレースをしてくれたよ」

 -と、いうと?

 「東京の前走は脚を測ったんだよ。直線で2着馬が1馬身差くらいに近づくまで待っていた。結果は半馬身差だったけど、上がりの脚だけを測った乗り方だった。果たして、どれだけの末脚を使えるかとね」

 -有馬記念を見据えていた。

 「中山コースはオジュウには合っているしね。いいところは簡単には止まらないこと。そんじょそこらのスタミナじゃないから。3~4コーナーから追い通しでも、バタッと止まることはない。そう、キタサンブラックと同じように最後に二枚腰を使えるんだ。4コーナー先頭で直線に入ってきたら、(後続に)つかまることはない。今回3着以内なら、この挑戦は間違いじゃなかったと言える」

 -そうなると、また次の夢がふくらむ。

 「3着以内に入れば、もう来年はドバイ、宝塚記念、凱旋門賞しか使わないつもりだよ」

 -いよいよレースが週末に迫ってきた。

 「オジュウは平地を勝てなくて障害入りしたように、いわば“落ちこぼれ”のようなもの。でも、頑張ればここまでやれる。今の閉塞(へいそく)した社会で、この馬を見て希望が湧いた人がいてくれるとうれしいね」

 -この春の中山GJで障害G1、5連勝を達成。

 「もうこれ以上、障害レースでやることがあるのかなと思ったね。障害G1を5勝したけど、これから6、7、8勝しても同じ。でも、平地G1を獲れば6冠と呼ばれるんだよ。これは全然違う」

 -平地戦でも勝負になるという目算はあったのか。

 「担当の長沼厩務員が『(中山グランドジャンプの)4250メートル走ってもヘロヘロにならずシャンとしている。この馬の心肺機能はすごい』と評価してくれた。武豊君も4250メートルを走って(推定の)上がり3F36秒台は、普通の馬ではあり得ないと言っていた」

 -決して障害レースで強いだけではないと。

 「武君が驚いていたよ。背中がずっと沈んで低い走りなのに、なぜ大障害が跳べるのか分からないって。背中が沈むということは、四肢が伸びて1完歩が大きいということだからね。なぜそんなことができるのか。それは血統だよ。そして、それは遺伝しないわけがない。オジュウチョウサンが特殊な馬だということが、この有馬記念で証明されると思う」

 -「ここで3着以内に入れば、来年はドバイ、宝塚記念、凱旋門賞しか使わないつもり」とのこと。3つのレースを選んだ理由は。

 「宝塚記念はファン投票のレースだからね。それと海外の人にオジュウを見せたい。ドバイとフランスで宣伝しておきたいんだよ。それはもう日本ではサンデーサイレンスの血統はあふれ過ぎているから(オジュウチョウサンはSS産駒のステイゴールドが父)。でも今、海外はSSの子供を欲しがっている。心肺機能がすごいと分かれば、種牡馬としても高く評価される。そして、ドバイやヨーロッパで1年ごとにシャトル種牡馬として供用されるようにしたいと考えている」

 -夢は果てしない。

 「もう時効だから言うけど大学が飯田橋にあって、水道橋にある後楽園の場外馬券売り場で馬券を買い始めた。それから当時5万円もするイギリスの血統書を買って研究した。クラブ法人の馬主になって最初に持ったのがサッカーボーイだったんだ」

 -オジュウの父ステイゴールドは、サッカーボーイのおいに当たる。

 「オジュウの母(シャドウシルエット)は繁殖セールで250万円くらいだったかな。サッカーボーイの血統にこだわって、ステイゴールドばかりつけたんだ。兄ケイアイチョウサン、弟コウキチョウサンも走ってくれた」

 -常に新たな挑戦を描き続けている。

 「僕の頭の中には馬しかない。ギャンブルは夢とロマンと思っている。前へ前へ進んでいくだけ。後ろ向きになることはない。前進あるのみだよ。ぜひ、皆さんでオジュウを応援していただいて、有馬記念を盛り上げてください」

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