【日本ダービー】川田 令和初の祭典へ気合十分「ダービーのために乗ってきた」
「日本ダービー・G1」(26日、東京)
外国人騎手旋風が吹き荒れる中で、現在全国リーディングトップをひた走る川田将雅騎手(33)=栗東・フリー。16年にマカヒキで制するなど、過去に数多く騎乗してきたダービーに対する思い、皐月賞2着馬ヴェロックスと挑む“令和初”の競馬の祭典への意気込みを聞いた。
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-今年初戦の若駒Sからコンビを結成。この馬の良さは。
「ポテンシャルですね。完成するのはまだまだ先だと思っていますが、それでこれだけの結果を残しているのは、ポテンシャルの高さだと思います」
-前走の皐月賞は、サートゥルナーリアに頭差の2着だった。
「スゴくいい内容で競馬を組み立ててくれました。ボクが乗って、あそこまで全力で走ったのは初めて。改めて能力の高さを感じたレースだったと思います」
-舞台は東京の2400メートルに変わる。
「初めて乗った段階から、ダービーのためにという思いでした。何とかダービーに向かいたい、ではなく、ダービーが合う、ダービーでいい走りができるタイプの馬だと思って乗ってきていますからね」
-昨年は同じ中内田厩舎のダノンプレミアムで、1番人気(6着)も経験した。
「特殊な状況で向かったダービーでしたが、そこで1番人気に支持してもらいました。ジョッキーとして、とても光栄なことでしたね」
※4戦4勝で弥生賞を制し、登録した皐月賞に向けて調整されていたが、右前脚の挫石を発症し回避。ダービーへ直行となった。
-16年にはマカヒキでダービー初制覇。勝つ前と後で、気持ちなど変化はあったか。
「周りの方が違ってきたのかなと思いますね。今の質問にしてもそうですが、勝たないと出てこないものですから。こういうことを聞かれるのも、ダービーだけだと思います。初G1(制覇)以外で、これだけ勝った人、勝っていない人が分けられるのも、ダービーくらいなんです。周りの方からも、そういう意識で見られます。そこが一番大きいですよね」
-ダービーは初騎乗だった06年(スーパーホーネット=15着)以降、毎年のように騎乗している。
「初めて乗ったG1がダービーでした。乗れなかった年が一度(10年)だけあって、その時は京都にいたんですが、“ここにいちゃいけない”と思いました。ジョッキーとして、ダービーには毎年参加していないといけない。(出走する)18頭のうちの1頭の背にいないといけないと、強く感じましたね」
-自身は2位ルメールに14勝差をつける64勝(19日終了現在)で、全国リーディング首位を独走中。今年のここまでを振り返って。
「これだけのチャンスを与えてもらってありがたく思いますし、毎週本当にいい馬に乗せてもらっています。そのひとつひとつで結果を出し、求められる仕事をしていくだけですね。まだ今年は半分も終わっていませんから。一年が終わった時に、一番上にいられるようにしないと、と思っています」
-2年連続で中内田厩舎と臨むダービー。今年、管理馬で既に重賞5勝。その強みは。
「ひと言で言えば“厩舎力”ですね。ひとつひとつのことなので、一概にこれが、とは言えないですが、全てが馬のため、馬優先で積み重ねられているところだと思います」
-改めて、ダービーへの思いを。
「18頭しか出られませんし、この舞台は立つのも大変です。ジョッキーは毎年乗る可能性のある立場ですが、馬にとっては生涯一度、3歳のこのタイミングだけです。ダービーですから、周りの方々の思いも違います。馬は大きなモノを背負って走らなければいけません。そこでおのおのが全力を出し合い、どの馬が勝つかというレースだと思います。まずは無事に、ダービー当日を迎えてほしいと思います」