ホーム競馬・レース2013年ボートレースグレード開催賞金女王決定戦

G1・第2回賞金女王決定戦

平山新女王!優勝戦1号艇“4度目の正直”で悲願達成

2013/12/15 芦屋12R
▼G1・女子王座決定戦・優勝戦
着順 連番 選手名 住所 進入 ST
1着 平山 智加 香川 10
2着 海野ゆかり 広島 10
3着 鎌倉  涼 大阪 18
4着 寺田 千恵 岡山 15
5着 長嶋 万記 静岡 27
6着 山川美由紀 広島 16
 1号艇で断然人気を集めた平山智加(28)=98期・香川・A1=がインから力強く逃げ切って優勝。女子王座では過去3度敗れた優勝戦1号艇だったが、賞金女王決定戦の舞台で見事に〝倍返し〟を果たした。2着は海野ゆかり、3着には鎌倉涼が入った。11Rで行われた賞金女王シリーズ戦は山下友貴(27)=静岡・101期・A2=が優勝した。

賞金女王決定戦で初優勝し、南明奈(左)に祝福される平山智加

過去3度S遅れて失敗 悔しさをバネに

 これまで何度も悔し涙を流した白い勝負服で最高の結果を残した。ついに手にした女子の頂点。右手を突き上げて真っ先にゴールラインを通過した。「決して得意なコースではない」と話すインから会心の逃げ切り。優勝戦1号艇で敗れた過去3度の女子王座ではSで失敗しただけに「Sだけ決まれば1Mまでは持つ。同体なら大丈夫だと思った」と全神経をSに集中して“鬼門”を突破した。

 今年の女子戦線は最初から最後まで平山が主役だった。1月尼崎周年で14年ぶりの男女混合G1制覇。そして賞金ランク1位で乗り込んだ今節もV。「良かったり悪かったりだったけど、トータルでは充実した一年だった。数多くの失敗があったから優勝できたと思う」と胸を張った。

 SG、G1戦線で培った実力と経験に加えて今節は運も味方に付けた。自力で1枠を手にしたトライアル1回戦に続き、枠番抽選では2度の白玉。そして最後も1号艇が転がり込んできた。勝利の女神は常に平山にほほ笑んでいた。

 悔しさをバネにして大きく成長した。「これまでは勝ちたいという気持ちが強すぎた。冷静に走れれば結果は付いてくる」。前検日に宣言した通りに最後まで自分の力を信じ続けた。「来年は今年以上の成績を残したい」。悲願の女子No.1に輝いた「心を込めた女子レーサー」の進化はまだまだ止まらない。

1周2M

優勝戦VTR

 山川がリングを1本交換し、ほかは部品交換なしで登場。進入は動きなく展示・本番ともに枠なり3対3となった。イン平山と3コース海野がコンマ10のトップSを決めた一方、2コース長嶋がコンマ27と立ち遅れ。海野が締めて圧力をかけたが、平山は難なくこらえて1M先マイ。そのまま後続に何もさせず押し切った。海野は2着。1M外を回った鎌倉が3着と、最初のターン後の隊形で着順も決した。

戦い終わって

女子戦人気健在売上“SG超え”
 今節の総売上は79億5077万7100円。初日から3日連続のFで約2億円の返還があったことが響き、目標の80億円には約5000万円届かなかった。返還分を加えれば約81億5000万円。それでも昨年の第1回には9億円近く及ばないが、チャレンジCは返還なしで約79億9900円。実質的には2年連続の〝SG超え〟となり、女子戦の人気を改めて示した。

来年は住之江で大みそか決戦
 G1・賞金女王決定戦はクイーンズクライマックスとして14年から、大みそか決戦に生まれ変わる。12月28日から31日まで(賞金ランク13位以下で争われる同時開催のクイーンズクライマックスシリーズは26日から)、ボートレースのメッカ・住之江ボート場で開催される。第1回は大村、第2回は芦屋と、これまでは九州で実施されていた女子最高峰の一戦が、初めて近畿地区にやってくる。
 選考基準は従来通り1月1日からSG・チャレンジカップ、14年から新設されるG2・レディースチャレンジカップ終了時までの獲得賞金上位12人。なお、クイーンズクライマックスシリーズは15年からG3に格上げされる。
 注目度が年々増している女子ボート。大みそか決戦になって、さらなる売り上げ増が期待される。選手のモチベーションも上がり、賞金争いもこれまで以上にし烈を極めるだろう。1年を締めくくる女子ベスト12戦士の激突が今から待ち遠しい。

シリーズは山下が激戦制す
 賞金女王シリーズの優勝戦は激戦となった。1Mは2番差しの大滝とイン田口の首位争いとなったが、2Mで2人が競るところを山下が差して抜け出しVをもぎ取った。「いいエンジンを最初は出し切れなかったけど、最後はいい状態になりました。今年はうれしいこともつらいこともたくさんあったけど、また来年頑張ろうと思えます」と喜んだ。もちろん14年に見据えるのは、決定戦の方。「来年はトライアルに乗って、最後の決定戦に乗りたい」と意欲を見せた。


海野ゆかり(2着)
 「行き足が良くなって、いいSを行けた。今節はもっと緊張するかと思ったが、リラックスして臨めた」

鎌倉涼(3着)
 「伸びがきていたし、足は満足。来年は地元の住之江なので、出られるように頑張りたい」

寺田千恵(4着)
 「足は悪くなかったが、Sが分からなかった」

長嶋万記(5着)
 「S遅れは完全に自分の責任。悔しい思いでいっぱい。(平山)智加ちゃんとは経験の差」

山川美由紀(6着)
 「伸びは最後まで付かなかったし、展開も悪かった」

WHO’S WHO

 平山智加(ひらやま・ちか)1985年7月13日生まれ、香川県丸亀市出身。私立英明高校を卒業後、やまと学校98期に入学。デビューは06年5月のまるがめで、4走目に初1着を飾る。初優勝は08年5月のまるがめ。G1初優勝は今年1月の尼崎周年記念で、これは88年のグレード制導入後、2人目の男女混合G1優勝だった。女子王座では3度の優出すべて1号艇だが、すべて敗れている。夫はボートレーサーの福田雅一。身長157センチ、血液型はO。生涯獲得賞金は2億749万7080円。

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