デイリースポーツオンラインDaily Sports Online

• サイトマップ
• ブログパーツ

　「ＳＧ第２４回賞金王決定戦」は２３日、住之江競艇の最終日１２Ｒで決定戦ファイナルが行われ、３号艇の松井繁（４０）＝大阪・６４期・Ａ１＝が差し抜けて快勝。優勝賞金１億円を獲得し、今年の賞金王に輝いた。松井の決定戦Ｖは０６年住之江大会以来、３年ぶり最多タイの３度目。ＳＧは通算Ｖ１０。同時進行の「賞金王シリーズ戦」は井口佳典（３２）＝三重・８５期・Ａ１＝がイン逃げで制した。

最多タイ３度目の金冠
２年連続稼ぎ頭

　何度も何度も、住之江の空に向かって拳を突き上げた。勝利の味をかみしめながら、松井はゆっくりとスローダウンして、深紅のボートを流す。今節一番の脚に仕上げて１Ｍを差しハンドル。栄光の頂上ゴールは“王者”が奪還した。

　０６年以来、３度目の黄金のヘルメット。史上２位タイとなる節目のＳＧ１０冠目を、最高峰の舞台で達成した。何より地元での戴冠だ。「どこに行っても地元のつもりで走るけど、ここは住之江。負けたくない気持ちがあった」。２万４千人が詰めかけたスタンドへ手を振り、笑顔のウイニングランで声援に応えた。

　今年は“準地元”でダービー王の座も手にした。「尼崎のダービーは獲りたいと思っていたし、全選手の夢の賞金王を勝つこともかなった。選手になって最高の一年と思う」と充実。表彰式では今年を振り返り「結構つらかったけど良かったと思う」と目を潤ませる場面も見せた。

　活躍の陰には、家族の支えがある。「競艇選手というのは、ほとんど家にいない。相当、家庭を犠牲にしている。それでも何も言わず、仕事に集中させてくれる家族に感謝したい」と感慨に浸る。

　これで賞金１億円を加算して、２年連続で年間獲得賞金トップ。チャンピオンは、まだまだ進化を続ける。「僕の目標は全部の記録を塗り替えること。“終わってみたら松井か”というレースをしていきたい」。“絶対王者”の偉大なる進軍は、もはや誰にも止められない。 　　　　　

　【松井が冷静に差し抜けた】

　Ｓ展示では松井、田村が瓜生を抑え、１３４２・５６の並びに。本番は瓜生が艇番を主張して３対３の枠なり進入で折り合い、スリットは内４艇がほぼそろった飛び出しになる。そこから伸びた瓜生が２コースまくりを狙うが、イン坪井が突っ張って両者流れ、絶好の展開になった松井が３コースから差し抜ける。続いて差した田村、池田の２着争いは、２周２Ｍで田村をさばいた池田に軍配。