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　下関競艇の「Ｇ１・第２３回女子王座決定戦」は７日、１２Ｒで優勝戦が行われて１号艇の寺田千恵（４０）＝岡山・６５期・Ａ１＝がイン逃げで優勝。０７年徳山以来となる２度目の女王に輝き、「ＳＧ・第４５回総理大臣杯」（１７〜２２日・平和島）への出場切符を獲得した。２着は地元の向井美鈴。女子王座決定戦史上最年少優出の鎌倉涼は、日高逸子との３着争いに敗れて４着に終わった。

直前にエンジントラブル
平常心で頂点奪取

　心臓の鼓動が最も高まったのは、出走前だった。エンジンが掛からない―。係留された相棒の１７号機はビクともしなかった。寺田は何度も始動させようとしたが、発走時刻を過ぎても掛からない。このまま欠場となってしまうのか。

　大きな不安がよぎったところで、ようやく始動に成功した。「こんなこともあるんだなと。準優でも燃料が足りずに掛かりにくかった。それで給油したけど、それでも掛からなかった」。だが始動さえしてくれれば信頼できる強力エンジン。しかも、発走前に緊張のピークを迎えたことで、逆にホッとしてレースに臨めた。

　「あとは風だの進入だの、あまり考えずに行けた」と平常心でイン確保。スリットをコンマ０２で飛び出すと、誰よりも冷静に先マイして、第２３代女王の座をつかんだ。　

入念な試運転も実った。本番までに１Ｍのターンを何度も確認。「今日の水面は何回乗っても１Ｍで一発跳ねる。着水してから握らないと流れてしまう」。普段以上に練習を繰り返して、感覚をつかんでいたことも勝因となった。

これで総理杯への出場切符も得たが「実は、全く考えていなかった」と明かす。もともとの次走予定は１３〜１８日の福岡。１７〜２２日の総理杯に出場するため、この節は当然ながら欠場となる。しかし、「もう荷物を福岡に送っちゃった」と舌を出す。普段通りの冷静さで制した女王は、最後まで普段通りに２度目の美酒の味を楽しんでいた。

　【寺田が先マイ逃げ切る１２Ｒ】

　展示では３号艇の日高が２コースへ動いたが、本番では動かず。実際に動いたのは６号艇の魚谷で、進入は１２３・６４５となった。イン寺田と２コース向井がコンマ０２のトップＳ。大外から鎌倉もコンマ０８のＳからまくりを狙うが出切ることはできず、１Ｍは寺田が先マイ成功。向井の差し、日高のまくりも届かずで、先頭の寺田は安全圏。２番手も向井が抜け出し、注目は日高と鎌倉に浜村を加えた３着争いとなったが、３周１Ｍで日高が競り勝ち。優勝は寺田、２着は向井、３着日高で決した。