【ボート】水口やった!涙の新女王

 「レディースチャンピオン・G1」(11日、三国)

 人気を集めた水口由紀(41)=70期・滋賀=A2=が、インから押し切りG1初優勝(通算では5回目)を飾った。優勝賞金1000万円と、SG・ボートレースクラシック(15年3月17~22日・尼崎)の出場権を手に入れた。2着に寺田千恵、3着には平山智加が入り、3連単は人気サイドの決着に終わった。

 史上初の台風順延となったレディースチャンピオンで、遅咲きの新女王が誕生した。優勝戦はインからコンマ07のトップSを決めて逃げ切る圧勝劇。「選手になると決めてから初めて見に行ったレース場」と話す三国で大仕事をやってのけた。

 表彰式では「自分でもビックリした」と涙がこぼれたが、レースではいつもの冷静沈着な水口だった。02年徳山では今回と同じ1号艇で優出しながらも、インを奪われてV逸したが「あのときは若かったですから…」と経験を糧にリベンジを果たした。

 同世代の選手仲間もピットで大歓声を挙げた。真っ先に駆け寄って抱きついた海野がコメントを求められて涙を流せば、岩崎は「自分にもまだチャンスがあると思えるし、励みになる。由紀ちゃんの記事を大きく書いてあげて」と祝福した。

 「目立つのが苦手」と話す新女王だが、今回からプレミアムG1になった記念すべき大会で、近畿地区からの初V。これで賞金ランクもトップに浮上と一気に女子戦線の主役に躍り出た。夫で競輪選手の伊藤保文が6月の取手で11年ぶりの記念V、そして自身は女王戴冠と種目は違うが今年は夫婦で大活躍だ。「反動が出そうで来年が心配」とおどけてみせたが、初出場が確定的な年末のクイーンズクライマックス(12月28~31日・住之江)まで勢いに乗る新女王の走りに注目したい。

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