【ボート】石野5年ぶりSGタイトル
「オーシャンカップ・SG」(20日、三国)
最後まで主役の座は譲らなかった。1号艇で圧倒的人気を集めた石野貴之(33)=大阪・90期・A1=が、インから堂々と押し切って、2010年のオーシャンカップ(まるがめ)以来となる、自身2度目のSG制覇を飾った。2着に田中信一郎、3着に川崎智幸が入り、3連単は990円(2番人気)の堅い決着となった。
元高校球児の石野らしく「大好き」な夏の季節に最高の輝きを放った。
エンジン抽選で評判の33号機をゲット。この時点ですでに、この結果は約束されていたのかもしれない。「(選手を)辞めるまで持って歩きたい。それぐらいすばらしいエンジン」と絶賛。その強力機は最後まで衰えることはなく、主役の座を一度も明け渡すことはなかった。
優勝戦はピット離れで遅れた川崎が回り込み、若干深めの起こし位置。それでも「想定内」と動じることなく、コンマ11のトップスタート。全てがシナリオ通り、わずかに1Mのターンを除けば…。「100点のターンではなく、差されたかと思った」。一瞬ヒヤリ。だが相棒が前に押してくれた。そして気が付けば独走でのVゴールだった。
10年のまるがめでのオーシャンカップ以来2度目のSGタイトル。「うれしいですね。うん、うれしいです」。ゆっくりと喜びをかみしめる。「前回は予選もトップ通過じゃなかったし、その分、今回の方が充実してました。5年間の成長した部分も感じた」と笑顔で振り返る。
これで賞金レースも3位にジャンプアップ。「年頭からベスト6で年末を迎えることが目標だった。少し余裕ができましたね。これからもしっかり上積みしていきたい」。年末のグランプリの舞台は地元・住之江。最高の舞台での金冠奪取に一歩近づいた。