【競輪】成田G1V3!福島勢上位独占
「高松宮記念杯・G1」(16日、岸和田)
うれしい1年3カ月ぶりG1・3勝目。成田和也(34)=福島・SS・88期=が番手絶好の流れに乗り、直線で抜け出して優勝を決めた。優勝賞金2590万円(副賞を含む)を獲得するとともに、KEIRINグランプリ(12月30日・立川競輪場)の出場権をゲット。打鐘から先行した新田祐大が2着に粘り、3着には伏見俊昭が続き、福島勢が1~3着まで上位を独占した。
喜びよりも安どだった。「長かったですね」。成田は、本当にホッとした表情を浮かべていた。昨年3月の日本選手権(熊本)でG1優勝。その後もG1、G2戦では決勝まで進出しながら、わずかの差で、ビッグタイトルにはなかなか手が届かない。特に悔しかったのは昨年9月のオールスター(前橋)。前を任せた山崎芳仁をかわせず2着。そんなこともあって、G1が欲しいという気持ちがどんどん強くなっていった。
どうすれば勝てるのか?それを考えたときに痛感したのが、追い込み選手としての技量不足。「課題はたくさんあった。それを先輩からのアドバイスそしてVTRなどを見て一つ一つクリアしてきた」と、ここまで着実にレベルアップを図ってきた。その成果が今回ようやく現れた。だが「これからもっと厳しくしていかないと」と、まだまだ完成の域には達していないことを強調する。
準決では、決勝でも連係した新田の強さを目の当たりにした。何とか続くことはできたが、「新田君に自分の鼻を折られた気がした」と踏み出した瞬間に離れてしまったことが悔やまれた。それを本番ではきっちり修正し、新田追走からゴール前でかわしての勝利。
これで年末に行われるKEIRINグランプリの出場権も獲得したが、「まだ終わったばかりでそんな先のことは考えられない。まだまだレースは続くので、どんな展開でも勝てる強い選手になっていきたい」と、G1優勝回数を伸ばすべく精進していく。