【競輪】金子貴志、師弟の絆でG1初V
「寛仁親王牌・G1」(15日、弥彦)
師弟の絆で初戴冠‐。金子貴志(37)=愛知・75期・S1=がG1初優勝を決めた。弟子の深谷知広と連係。飯嶋則之に初手から競られる展開で、逃げた深谷から一度は離れたが、再び追いつき、最後はタイヤ差抜け出した。これで優勝賞金2590万円(副賞含む)と「KEIRINグランプリ2013」(12月30日・立川)の出場権をゲット。深谷も2着に入り、師弟ワンツーを決めた。
悲願のG1戴冠。金子が、弟子の深谷と連係して栄冠を手にした。岡田、木暮、浅井、井上が単騎戦を選択した異例の細切れ決勝。師弟の絆が、ライバルたちを上回った。
決着はタイヤ差の接戦。差した手応えはなかった。「深谷が勝ったと思った。信じられなかった」。最終4角を回ってからの直線。成田に中を割らせず、内を締め続けた気迫勝ち。「最後は成田君が中を割ってきた。それで押してもらうような形になった」と明暗を振り返る。
道中は深谷の番手で飯嶋と競り。打鐘でカマした深谷に一瞬ついて行けず、飯嶋とともに離れかけた。だが、必死に追いかけて最終ホームで再び弟子の番手を確保。これが最大の勝因となった。
デビュー19年目で初戴冠。表彰式では笑顔よりも先に涙がこぼれ出た。「届きそうで届かなかった。調子が上がってこなくて、諦めかけていた」と明かす。G1決勝は過去に4回経験。だが、05年全日本選抜の決勝4着を最後に遠ざかった。その消えかけた可能性に、光を照らしたのが深谷だった。
「練習をやっても成績は上がらず。でも、深谷が出てきて、もう一度頑張ろうと思えた。ここ1、2年は調子も戻ってきてチャンスだと思った」とG1戦線で活躍する弟子の姿に奮起した。
悲願達成と同時に、グランプリ出場権も得た。深谷もすでに獲得賞金額から出場当確。師弟で天下獲りを狙う。「タイトルに恥じないように精進したい」。最強の孝行弟子を従えて、初めて挑む大一番を師匠は見据えた。