【競輪】トップクラス18人が選手会脱退

 現役トップクラスの競輪選手18人が、現在所属している一般社団法人「日本競輪選手会」(会員約2700人)を19日付に退会、財団法人SS11(エスエスイレブン)を母体とした新選手会へ移籍すると発表した。村上義弘、武田豊樹ら5選手は19日、都内のホテルで記者会見。オリンピックなど世界で活躍できる自転車競技選手の育成や、競輪界の発展のためと、新選手会結成の目的を説明した。

 新選手会へ移籍した選手は稲垣裕之(京都)、牛山貴広(茨城)、岡田征陽(東京)、小野大介(福島)、川村晃司(京都)、佐藤慎太郎(福島)、佐藤友和(岩手)、武田豊樹(茨城)、長塚智広(茨城)、成田和也(福島)、新田祐大(福島)、平原康多(埼玉)、藤木裕(京都)、伏見俊昭(福島)、村上博幸(京都)、村上義弘(京都)、山崎芳仁(福島)、渡辺一成(福島)の18人(50音順)。

 会見に出席したのは村上義、武田、長塚智広、平原康多、新田祐大。世界で活躍できる選手を育成する環境整備や活動を行い、自転車競技の強化普及を図ることが発足の主な理由としている。18人に共通するのは2020年に決まった東京オリンピックでのメダル獲得への危機感だった。

 特にナショナルチームの一員である新田は「今はオリンピックで活躍できる環境が整っていない。残念ながら今の競輪は、世界の自転車とはかけ離れている」と厳しい現状を話した。ケイリン発祥の地でありながら、長塚が04年のアテネで伏見俊昭、井上昌己らとチームスプリントで銀メダルを獲得して以降、外国勢に全く歯が立っていない。

 また売り上げ、入場者とも年々減少し、盛り上がりに欠ける競輪界に歯がゆさを感じている。「子供たちに“競輪選手になるのが夢”と書いてもらえる」(村上)、そして「子供たちが憧れるような」(平原)競輪をつくっていきたいとも語った。

 競輪を統括するJKAは今回の件に関し、新団体の選手のレース出走に支障はないとしている。SS11がJKAに強く推していた「インターナショナルスタイルの競輪」が来年1月に誕生することも、近日中に発表されるという。新選手会結成が競輪界発展の起爆剤になるのか。

 この件に関してJKA石黒克巳会長は「今後の推移を見守りながら、競輪界全体が良い方向になるように期待しています」とコメント。日本競輪選手会の佐久間重光理事長は「本会への説明もありませんでしたし、記者会見にも出席していないため、詳しい事情がわかりませんので、コメントしようがありません。状況の把握につとめ、現場が混乱しないように対応したいと思います」と語った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

競輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(競輪)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス