【競輪】村上博、大ケガ乗り越え復活V

 「全日本選抜・G1」(12日、高松)

 村上博幸(34)=京都・86期・S1=が、2010年5月の「風光る」(静岡)以来となるG1・3度目の優勝を果たした。レースは最終4角で先頭の新田祐大(福島)が、平原康多(埼玉)を押し上げて浅井康太(三重)、神山雄一郎(栃木)の3人が落車。転倒を避けた村上が直線伸び切って1着で「KEIRINグランプリ」(12月30日、岸和田)の出場権を獲得した。松岡健介(兵庫)が2着、斎藤登志信(宮城)が3着に入った。

 これまでG1を2回制覇し、10年のGPも優勝した村上。栄光のグランプリユニホームの1番車を身にまとったことのある選手は、やはり何かが違う。その独特のオーラを感じさせた決勝戦だった。

 前受けの新田が近畿勢を分断。前を任せた松岡の最終2角まくりは不発と厳しい流れとなったが、落ち着いて対処。新田にスイッチするとその新田が平原を振り上げるスキを見逃さず、内を突いて歓喜のVゴールを決めた。

 「結構冷静に走れていて、新田と平原が接触している時に落ち着いてコースを見つけられた。グランプリユニホームの1番車を経験して、精神的に強くしてくれたのが大きかったです」と歓喜の美酒に笑みがこぼれた。

 毎年、上位争いをしており順風満帆と思えたが、決してそうではなかった。「2年前の3月の練習中に腓骨筋腱脱臼(ひこつきんけん・だっきゅう)という大ケガをしてしまい靴を履くだけでも痛かった。そして大ギア化のブーム。苦しかったです…」と持ち味の俊敏さを生かせなかった。

 そんな時期に活力になったのは、同じ近畿勢の活躍。「やっぱり負けたくないですから」と腐らず練習。その結果、4年ぶりに輪界の頂点に返り咲いた。「まだ強い自力型と比べると実力の差を感じる。年末の岸和田グランプリまでには、成長した姿を見せたい」とさらなるレベルアップを誓う。そして「やっぱり兄弟でまたグランプリに乗りたい」と兄・義弘にエール。夢の兄弟連係に向けて、再び村上兄弟が競輪界を席巻する。

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