【競輪】武田オールスター感謝のV
「オールスター競輪・G1」(15日、前橋)
あっせん自粛から復帰して初のG1で武田豊樹(40)=茨城・88期・S1=が優勝。優勝賞金4410万円(副賞含む)と「KEIRINグランプリ2014」(12月30日・岸和田)の出場権を獲得した。G1優勝は12年の競輪祭以来5回目、オールスターは12年以来2回目。通算取得賞金額は10億1354万2621円となり、通算23人目、現役では13人目の10億円を超えた。
本来は走れなかったはずのG1。武田は感謝の気持ちで栄光のゴールを駆け抜けた。
昨年12月の選手会脱退騒動により、選手会理事会において5月から1年間のあっせん自粛の処分が下った。それが6月23日に、あっせん自粛3カ月に処分軽減。8月から復帰できたことで5回目のG1戴冠につながった。
走れることの喜び、声援のありがたさを感じた。発走前、武田はオッズを確認。「普段あまり見ないけど、しっかり確認して緊張感を持って走った」とファンから2車単1番人気で支持されていることを見て発走台に着いた。レースは満を持しての2角まくりで決着。「出脚は悪かった」と振り返るが「必死で取りに行った」絶好の3番手を確保したことで大勢は決していた。
今開催、1走目の2日目特選ではラインの芦沢大輔-牛山貴広が誘導員早期追い抜きで失格。3日目の2次予選は逃げた池田勇人に乗って番手まくりで1着。関東地区の後輩たちのことを思って「心苦しかった。今開催はメンタルの面で大変だった」と明かした。
昨年後半も7月高知記念での追走義務違反により約5カ月走れなかった。だが、強いチャンピオンは帰ってきた。2年ぶりのグランプリ出場権も賞金レースではなく、G1制覇で獲得。本来進むべきスター街道を、再び突き進む。