【競輪】武田悲願V!2億円超え賞金王
「KEIRINグランプリ2014・GP」(30日、岸和田)
武田がGP初制覇-。武田豊樹(40)=茨城・88期・SS=が打鐘からカマした平原康多に乗って、最終2角から番手まくりを決め、6回目のグランプリ挑戦で初優勝。優勝賞金1億170万円(副賞含む)を手にして、自身初の年間賞金2億円超えを達成した。武田後位を奪った村上義弘を追って、直線で伸びた村上博幸が2着。村上義は3着だった。
初めて舞台を近畿に移した歴史的なグランプリで新王者が誕生した。スタンドを埋め尽くしたファンの大歓声を浴びて、武田が最初にゴールラインを通過した。6度目の挑戦で手にした初の頂点。スピードスケート界から転身した男が、デビュー12年目でついに競輪界で日本一になった。
圧勝だった。普段はラインの先頭を回ることの多い武田だが、この大一番では腹をくくり、平原の番手を走ることに集中した。踏み出しに離れることなく続いて、最終1角で飛んできた深谷をけん制と完璧な立ち回りを披露。最終バックは「(平原が踏んだ)距離を考えて外を踏んだ」とためらうことなく番手まくりを敢行した。
今年は苦しみから始まった1年だった。昨年12月に企図した選手会脱退騒動で、3月ダービー開催前に1年間の出場自粛勧告を言い渡された。6月に処分は3カ月へ軽減されたが、競輪界を混乱させたことは痛いほど分かっていた。「ファンへの恩返しは、結果を出すこと」と以前より集中し練習に取り組みバンクへ戻ると、自粛前より格段に強くなって帰ってきた。
「この世界に入るときの目標だった賞金王にやっとなれた。来年はギア規制が始まり、新しい競輪になると思う。弱った姿を見せる訳にはいかないし、ルールが変わっても、グランプリに戻ってくることができるように頑張る。競輪が好きだから」。不惑を迎えてさらに強さを増した武田が、15年も競輪界をリードする。