【競輪】新田、悲願のG1“初V”
「日本選手権競輪・G1」(22日、京王閣)
4日制以上のG1を悲願の初制覇-。新田祐大(29)=福島・90期・S1=が最終バックからまくり追い込みで1着。2着の平原康多を微差で退けて、優勝賞金6510万円(副賞含む)と「KEIRINグランプリ2015」(12月30日・京王閣)の出場権を獲得した。新田のG1制覇は、10年12月のSSカップみのり(立川)以来2回目。
ゴール前はまれに見る3車の大接戦。最終バックからまくり追い込んだ新田は、懸命にハンドルを投げた。場内のビジョンを凝視したが、勝者は分からない。「浅井さんが伸びていたから、また2着かと思った」。しかし、敢闘門では同じ北日本の選手らに拍手で出迎えられた。「オレ!?」。新田は親指で自分を指差して、4日制以上のG1初制覇を確認した。
単発レースのSSカップは制しているが、G1の悔しさを味わってきた。2年前の9月、同じ京王閣でのオールスター決勝も、最終2角から単独で抜け出したが差されて2着。今回が10回目のG1決勝だった。「届きそうで届かなかったG1の優勝。正直、まだ実感が湧かない」。レースは武田が仕掛けて、井上が番手まくりの展開。「そこまでは見えたけど、武田さんが仕掛けた以上は、とにかく前に前に踏もうと思った」。V獲りだけを公言して臨んだダービー。最後は無心で追い込んで栄冠をつかんだ。
競輪での活躍は、新田にとってロンドン以来の夢舞台である五輪につながる。16年8月のリオデジャネイロを見据えて「日本の競輪が世界に通用するということを証明したい」と宣言。“世界”との戦いを思い描きつつ、さらに競輪選手として高みを目指す。