【競輪】園田G1初V タテ脚さく裂
「寛仁親王牌・G1」(20日、弥彦)
大波乱の結末-。園田匠(33)=福岡・87期・S1=が直線一気に踏み込んでG1初優勝。優勝賞金2890万円(副賞含む)とKEIRINグランプリ2015(12月30日・京王閣)の出場権を獲得した。逃げた脇本雄太の後位を奪って伸びた武田豊樹-神山雄一郎が2、3着に入った。3連単21万2050円はG1決勝では史上最高配当となった。
園田らしいタテ脚をさく裂させた。直線で一気に抜け出すと、ゴール後はすぐに右手を高々と挙げ、G1初優勝の喜びを表現した。
前を任せた脇本-金子の中近コンビが武田に分断される苦しい展開にも、園田は全く慌てていなかった。「普段から9番手に置かれる競走が多いし、焦りはなかった。大塚(健一郎)さん、小倉(竜二)さんから“落ち着いて走れ”とアドバイスをもらっていたし、内しか見ていなかった」とサラリと言い放ち、2回目のG1ファイナルにも冷静に走り切った。
「33歳でG1を勝つと決めていた。人生計画通り」と、思い描いていた結果を手にして満足げ。師匠で数々のビッグタイトルを手にした吉岡稔真氏は現地でレースを観戦。「(園田)匠は努力を怠らない選手。弟子にG1を獲ってほしいと思いがあったが、かなえてくれてよかった」と目頭を押さえながら喜んだ。
感謝の言葉は物事を成し遂げた時にしか口にしない九州男児。「普段は言わないけど、感謝の言葉を嫁さん(良恵夫人)と何回落車しても大丈夫な、丈夫な体に産んでくれた両親に伝えたい」と照れながら語った。
ビッグタイトルを手にしてもスタイルは変わらない。「今までにないタイトルホルダーになりたい。自分らしい泥臭く、突っ込むスタイルは変わらない。師匠が獲ることのできなかったオールスターを優勝したい」。9月19日から松戸で行われるG1・オールスター競輪もどん欲に獲りにいく。