【競輪】新田、横綱相撲 いざ世界へ!
「オールスター競輪・G1」(23日、松戸)
新田が今年2冠目-。23日の11R決勝は新田祐大(29)=福島・90期・S1=が、最終2角からまくって圧勝し、優勝賞金4410万円(副賞を含む)を獲得した。3月のG1・日本選手権で4日制以上のG1を初制覇したが、これで今年2回目のG1戴冠。通算では2010年のSSカップみのりを含めて3回目のG1タイトル獲得を果たした。
大歓声の中で、まくり切った新田は両腕を突き上げて勝ち誇った。そのパワーは「全力で踏みすぎてコーナーで外に膨らんだ」というほど強烈。番手の神山が離れ気味になるほどの踏み出しで、ゴールまで押し切った。
栄冠への勝負どころは残り2周の赤板ホーム。竹内-大塚が先行した瞬間、すぐさま3番手確保に動いた。絶好のポジションを奪取すると、あとは満を持して最終2角で仕掛けるだけだった。
昨年のオールスターを終えて、今年の優勝を最大目標に掲げた。3月にG1・日本選手権を制して頂点に立ったが、6月のG1・高松宮記念杯で落車。そこから「苦しい連戦が続いた」と明かす。それでも「昨年あたりから状態とモチベーションを、狙ったところに持って行けるようになってきた」と1年間の長期計画の集大成を目標舞台で発揮した。
来年はリオ五輪イヤー。「五輪に出場するために競輪選手になった」と新田。KEIRINグランプリ2015(12月30日・京王閣)の先を既に見据えている。五輪出場権を獲得するためには、10月末から始まるワールドカップ、来年の世界選手権での好成績が必要条件。「福島の新田から“世界のニッタ”になれるように」。今年はG1・2冠目を獲得した王者が、世界レベルの活躍を誓った。