【競輪】浅井GP初制覇!父の夢叶えた
「KEIRINグランプリ」(30日、京王閣)
2015年の競輪最高峰レースは、浅井康太(31)=三重・90期・SS=直線強襲を決めて優勝。5年連続5回目の出場で、KEIRINグランプリ初制覇を成し遂げた。2着は8番手からまくった新田祐大、3着には武田豊樹の後位からまくりに切り替えた平原康多が入った。
おやじ、やったぞ!グランプリ優勝のゴールを駆け抜けた浅井は、両手を何度も突き上げて存在感をアピールした。
「8年前におやじが亡くなり、頑張らないといけないと思っていたので、優勝できてうれしかった。3歳で四日市競輪場に連れて行ってもらい、そのときに競輪を見て、選手になりたいと思った」
父の和彦さんは07年に心筋梗塞で急死。47歳の若さで天国へ旅立った最愛の父に、競輪界の頂点に上り詰めた晴れ姿を息子は伝えたかった。
5年連続5回目の挑戦は、優勝するイメージしかなかった。3日からの佐世保記念は、3日間とも自力勝負で脚の感触を確かめた。17日に開催された前夜祭で6番車に決まった瞬間は、中部の大先輩・山田裕仁氏(引退)が03年に京王閣のグランプリを制したときと同じで、気持ちが高ぶった。
「脚は仕上がっていた。競輪人生の中で一番状態が良かった」
最高のコンディションでレースに臨むと、流れも味方した。関東ラインの4番手で脚をため、前の神山をすくって平原の後位に切り替えた。最後の直線は、平原を追い掛けた勢いでペダルに力を込めて、大外から襲う同期の新田を振り切った。
今回の優勝で競輪ファンだった父の夢をかなえ、90期台初の賞金王にも輝いた。次の目標は11年9月のオールスター(岐阜)以来、すっかり遠ざかっているG1優勝だ。