【競輪】新田祐V4 GP出場決めた
「高松宮記念杯・G1」(19日、名古屋)
新田祐大(30)=福島・90期・SS=が打鐘4角からまくって高松宮記念杯初優勝。昨年9月のオールスター以来、通算4回目のG1(SSカップみのりを含む)制覇を果たし、賞金2890万円(副賞含む)とKEIRINグランプリ2016(12月30日・立川)の出場権も獲得した。
ようやく、新田が今年のG1初優勝を決めた。「レース前に山崎さんから『新田が勝てるように走れ』とアドバイスをしてもらい、絶対に優勝しようと思った」。今年は制度変更に伴って、G1開催が7回。獲得賞金額でのグランプリ出場が難しくなるだけに、G1優勝での出場権獲得を早く決めたかった。
思わぬレース展開が新田に味方した。「中部勢の先行だと思っていたが、浅井さんが郡司君のインで粘った。予想外のレースになったけど、隊列が短くなって仕掛けやすかった」と勝因を挙げる。
残り2周からレースが動いても、新田が8番手で焦ることはない。「勝つにはあそこしかないっていうタイミングで仕掛けられた」。打鐘4角から自慢のダッシュ力を発揮すると、一瞬で独走態勢を築く。「山崎さんを連れてこられなかったのが残念」。勇気づけてくれた仲間と、上位独占できなかったことだけは心残りだ。
この優勝で夢も膨らむ。4月に自らが代表の自転車競技チーム「ドリームシーカー」を立ち上げた。商業スポンサーに支えられるトレードチームとして、五輪出場権に関わる国際大会などに出場し、日本代表入りを目指す。「この後は久留米記念、ジャパントラックカップと忙しいけど、年末のグランプリ優勝と、2020年の東京五輪でもメダルを取れるように頑張りたい」。8月のリオデジャネイロ五輪出場を逃したロンドン五輪代表が、その悔しさを4年後に晴らす決意表明だ。