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フェブラリーステークス
 世界制圧がみえた 2002/02/17・中山競馬場
 
世界チャンプへ。ゴール前で一気に差し切ったアグネスデジタル
  さあ、目指すは世界チャンプ。ゴール前一気の差し脚を爆発させ、2002年のG1第1弾を1番人気に応えて制したアグネスデジタル。これで地方、JRA芝、海外、JRAダートと「何でも来い!」とばかり、史上初のG14戦連続勝利を飾った。この後は“異色のスーパーホース”としてドバイワールドカップへ遠征、さらに世界の王者へ四位とのコンビで飛躍をかける。

 満を持してのスパートだった。「4コーナーで外に出した時、ガツンとくるものを感じたよ」と四位が振り返るほどの手応えで直線に向いたアグネスデジタル。「あとは早仕掛けにならないように」じっくりと我慢。坂の途中で仕掛け、ゴール前できっちり先頭をとらえると1馬身の差をつけてゴール。ドバイWCへの壮行レースを4戦連続G1勝利で飾った瞬間だ。

▼ 第19回フェブラリーステークス
1着  アグネスデジタル
四位
1.35.1
  2着 トーシンブリザード
石崎隆

1馬身

  3着 ノボトゥルー
ペリエ
1/2馬身

 今週、事あるごとにトゥザヴィクトリーを意識する発言を繰り返した白井師。レース前の指示も「トゥザヴィクトリーを見ていくように」だった。道中は行きたい馬を行かせ6、7番手を追走。「そういう競馬を心がけました。あとは馬を信じて乗っただけです」と四位。期待に応えてのVに「毎回驚く。いつも一生懸命走ってくれるし、ありがとうと言いたい」と、タフな相棒をねぎらった。

 この後は3月初めに美浦で検疫に入り、13日にドバイへ向けて出発する。昨年は実際にドバイまで行ってレースを観戦した白井師は、この勝利に「素晴らしい馬が集まった中で底力を見せてくれた。これでドバイでいい競馬ができると思った。土の質があの馬にはすごく合っている」と確信した。

 欧米をはじめ世界トップレベルのダートホースがそろい、1着賞金が世界最高の360万ドル(約4億7000万円)という大舞台。これまで6頭の日本調教馬が参戦、昨年のトゥザヴィクトリーの2着が最高だが、ついに“世界王者”も夢ではなくなった。

 その後はクイーンエリザベス2世カップ(香港G1・芝二千)に向かい、帰国後の状態が良ければ安田記念(6月2日・東京)に参戦。秋には渡米してブリーダーズカップ・クラシック(米国G1・ダ二千)に参戦のプランも温めている。

 世界キャンペーンに出る今年初戦が、自身の通算700勝となった四位は「今年はデジタルといっぱい、いい経験をしていきたいね」と、興奮を隠せない。「一つ一つ不安を消してきた」(白井師)と、トレーナーが与えた課題は完ぺきにクリアしてみせた。これまでの常識に収まらないスケールの持ち主が、いよいよ世界制圧に乗り出す。(小村竜一)

アグネスデジタル…牡5歳。父クラフティプロスペクター、母チャンシースクウォー(母の父チーフズクラウン)。馬主・渡辺孝男氏。生産者・米国 CWクレイ。戦績・23戦11勝(うち海外1戦1勝、地方5戦4勝)。重賞・11年全日本3歳優駿(川崎)、12年名古屋優駿(名古屋)、ユニコーンS、マイルCS、13年日本テレビ盃(船橋)、マイルCS南部杯(盛岡)、天皇賞(秋)、香港C(香港)。総収得賞金・761、643、000円(うち海外151、882、000円、地方162、000、000円)。白井寿昭調教師、四位洋文騎手ともに初勝利。
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