皐月賞 |
大波乱に理由なし | 2002/04/14・中山競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
4強、5強とうたわれたハイレベル牡馬クラシックの第1ステージには、思いもよらぬ結末が用意されていた。主役はなんと収得賞金800万円のノーリーズン。7分の2の抽選をくぐり抜けた幸運を存分に生かし、最高のパフォーマンスを演じた。
「ベリーハッピー、ベリーエキサイティング!」とドイルが顔を真っ赤に染める。(2)番枠を生かし、道中はロスなく中団の内を追走できた。4角ではうまく馬場の真ん中へ。それでもここまで伸びるとは誰が想像できただろう。残り100メートルで内で粘るダイタクフラッグを抜き去ると、激しい2着争いを尻目に真っ先にVゴールへ飛び込んだ。 テン乗りだったドイルは、この完ぺきな騎乗に「以前コンビを組んでいたユタカ(武豊)にレース前、話を聞いておいたんだ。これまでの内容や、内にもたれる癖があること。あの話を聞いて、自信を持って乗ることができたよ」と、デビュー2連勝時の鞍上の名前を挙げた。 スタンドで声をからした池江師は「抽選をクリアしたときに“ヨシッ、運が来た”と思ったけど、こんなことが本当にあるんだね。まるで夢のようだ」。姉のロスマリヌスはデビュー2連勝後、脚部不安で桜花賞を前に引退。晴れ舞台に立たしてやることの難しさを実感しているだけに「弟で無念を晴らすことができて本当によかった」と感慨深げな面持ちだった。 一転、戦国模様となったクラシック戦線の主役は、トライアルを挟んで本番に向かう。「東京を一度経験させるつもり。なんとかベストの状態で持っていきたい」。G19勝の名伯楽の視線は、早くも府中の杜に向けられていた。(堀江浩二) |
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