|
|
マンハッタンカフェがゴールへ一直線。奥は2着ジャングルポケット |
|
マンハッタンカフェが鮮やかに復活、菊花賞、有馬記念に続いて3つ目のG1を手に入れた。中団の前めで流れに乗って、直線でスパッと抜け出す横綱相撲。外から追い込むジャングルポケットを首差退けて、長距離No.1の座を不動のものにした。桜花賞、皐月賞で連続2着と悔しい思いをした小島太師も“ライバル”との対決に完勝して会心の笑み。3着にもナリタトップロードが入り、3強が順当に上位を独占した。
下馬評通りの3強対決、勝負どころは直線の入り口だった。「絶対に外を回るな。脚があれば、突き抜けられるんだから」。蛯名は小島太師の指示通りに、マンハッタンカフェを馬群の中へ導く。一瞬ひらいたスペースに迷いなく突っ込むと、直線半ばでスパッと抜け出す。外から猛追するジャングルを余裕を持って振り切り、最強を証明するゴールへ飛び込んだ。
|
▼
第125回天皇賞(春) |
|
1着 |
マンハッタンカフェ |
蛯名 |
3.19.5 |
|
2着 |
ジャングルポケット |
武豊 |
|
|
3着 |
ナリタトップロード |
渡辺 |
1/2馬身 |
注目された位置取りは、大方の予想を裏切って蛯名マンハッタンが一番前。左に渡辺ナリタ、直後に武豊ジャングル。ライバルに周囲を囲まれて、ビッシリとマークされる厳しい立場。「でもこの馬は長距離戦で一番大事な折り合いに不安がないからね。周りに2頭がいるのは分かったけど、じっくりと余裕を持っていけたよ」。愛馬の能力に全幅の信頼を寄せる蛯名は、落ち着き払って答えた。
陣営にとって春の盾は、絶対に譲れないタイトルだった。昨年は同じG1 2勝を挙げながら最優秀3歳牡馬、年度代表馬の座をジャングルに奪われた。無冠という結果がどうしても納得いかない小島太師は、日経賞での敗戦にも“自分の馬が一番強い”という自信に揺るぎはなかった。「栗東に入ってから状態が急激に良くなっていたからね。体は100%。これなら負けられないと思ったし、負ける訳がないと思ったよ」。
後方から豪脚を披露した菊花賞、有馬記念とは違って、今回はライバルより早めに動き力でねじ伏せる進化を見せるレースぶり。ジャングルとの対戦を2戦2勝としてNo.1の座についた。「自分ではマンハッタンが昨年のチャンピオンだと信じていた。G1
3発で、みなさんも認めてくれるでしょう」。胸を張ってインタビューに答えた師の表情は、実に晴れやかだった。(和田 剛)
|