NHKマイルカップ |
ついに牙城を崩した | 2002/05/04・東京競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
これまで外国産馬がワンツー独占。その牙城を崩したのはトニービン産駒の内国産、勝浦騎乗の4番人気テレグノシスだった。
残り200メートル。4角を後方で回ったテレグノシスが、狭いところをこじ開けて一気に弾き出されてきた。アッという間に後続との差が広がった。外から必死に追いかけてきたアグネスソニックが猛追するが、最後まで自慢の末脚に衰えを見せず、見事に3歳マイル王に輝いた。 勝浦にとってはデビュー6年目、自身7度目のチャレンジでつかんだ初のG1タイトル。しかし、手放しではその喜びを表現できなかった。直線での進路の取り方に対して、3万円の過怠金を課された。青く灯った審議のランプ。それが確定の赤ランプに変わるまでが長かった。「うれしいけど、自分の馬が関係していただけにヒヤヒヤでした。良かった」と神妙な顔つきで報道陣の前に姿を見せた。 タニノギムレットと首差の接戦を演じた前走・スプリングSでの疲労が抜けず、早々に皐月賞を断念した経緯がある。「本番2週間前から急激に状態が上がってきたんだよ。(皐月賞を)早めにあきらめたのが、きょうの勝利に結びついたんだね」とは杉浦師。その"大英断"こそが、きゅう舎開業7年目で、うれしいG1初勝利となったのだ。ダービーに関しては「考えの中にはあるが、来週の状態を見てからだね」と明言は避けた。 晴れてG1ジョッキーの仲間入りを果たした勝浦。ちょっぴりホロ苦さは残ったが、今年1月に入籍したばかりの幸子夫人(22)と、その両親が見守る中での美酒に「いままでになく、すごく落ち着いていた。自分の馬の力を出すことだけしか頭になかった。勝てて良かった。(師匠の)久恒師の喪が明ける11月か12月に披露宴をする予定です」と恥ずかしそうにほほ笑んだ。(村上英明) |
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