オークス(優駿牝馬) |
最高のスマイル輝いた | 2002/05/19・東京競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
5年前の光景がオーバーラップする。メジロドーベルを樫の女王に導いた吉田が、あの時と同じようにスマイルトゥモローの爆発力を引き出して、2度目のオークス制覇を成し遂げた。
パドックからテンションが高く、ゲートイン前にはスタンドからの大歓声に驚き、あやうくキレそうなとこまでいきかかった。そこを吉田が冷静になだめて折り合いをつけ、直線の爆発力を引き出した。「多少ケンカしてでも折り合わせた方が、最後の伸び脚につながると思っていたんだ。4角で仕掛けたときの手ごたえがすごくよかったから、前さえ開けばいける、と思ったよ」と会心の騎乗に笑顔がはじけた。 吉田はメジロドーベルで制したときとは、ひと味違う勝利だと言う。「テンションが高いところや、折り合えばすごい脚を使うところとか似ている部分は多いね。でも、人気のドーベルの時はホッとしたっていうのが第1印象だった」。安心感とは別の勝利の味に「やっぱりG1は最高ッスね」としばらく酔い続けている様子だった。 生産地の千代田牧場にとっては、昭和63年安田記念をニッポーテイオーで制して以来のG1勝利。オーナー でもある同牧場の飯田正剛社長は興奮冷めやらぬ表情で「もうゴール前は叫びまくったよ。調教師はじめスタッフがよく仕上げてくれたのと、吉田クンが上手に乗ってくれたおかげだね」と喜びを爆発させていた。かつては名馬ニッポーテイオのほか、ビクトリアクラウンとタレンティドガールでエリザベス女王杯を2勝している名門が、この日高らかに復活をアピールした。 開業3年目にしてクラシック制覇の離れ業をやってのけた勢司師は「今日はスマイルに取らせてもらったもの。僕がどうこうじゃなく、彼女を褒めてやりたい」と愛馬に感謝しきり。この後はいったん千葉県の千代田牧場でひと休みした後、北海道静内の千代田牧場に帰って英気を養う予定。「僕が力んでもいい結果はでないから」と、秋の戦いにも自然体で臨む構えを見せていた。(浅野将之) |
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