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オークス(優駿牝馬)
 最高のスマイル輝いた 2002/05/19・東京競馬場
 
スマイルトゥモロー(左)が抜け出し、制覇。右は2着のチャペルコンサート
  吉田スマイル、波乱の樫の女王に―。じっくり後方を進んだ4番人気のスマイルトゥモローは、4コーナーで内から直線で馬群を切り裂いて一気の伸び。ゴール前鮮やかに抜け出して優勝した。吉田豊は平成9年メジロドーベルに続き、2度目の制覇。2着に12番人気チャペルコンサートが食い込み、馬連は13、590円。今年のクラシックは桜花賞、皐月賞に続き3回連続万馬券の大波乱となった。

 5年前の光景がオーバーラップする。メジロドーベルを樫の女王に導いた吉田が、あの時と同じようにスマイルトゥモローの爆発力を引き出して、2度目のオークス制覇を成し遂げた。

▼ 第63回オークス
1着  スマイルトゥモロー
吉田
2.27.7
  2着 チャペルコンサート
熊沢

1 1/2

  3着 ユウキャラット
池添
3/4馬身

 パドックからテンションが高く、ゲートイン前にはスタンドからの大歓声に驚き、あやうくキレそうなとこまでいきかかった。そこを吉田が冷静になだめて折り合いをつけ、直線の爆発力を引き出した。「多少ケンカしてでも折り合わせた方が、最後の伸び脚につながると思っていたんだ。4角で仕掛けたときの手ごたえがすごくよかったから、前さえ開けばいける、と思ったよ」と会心の騎乗に笑顔がはじけた。

 吉田はメジロドーベルで制したときとは、ひと味違う勝利だと言う。「テンションが高いところや、折り合えばすごい脚を使うところとか似ている部分は多いね。でも、人気のドーベルの時はホッとしたっていうのが第1印象だった」。安心感とは別の勝利の味に「やっぱりG1は最高ッスね」としばらく酔い続けている様子だった。

 生産地の千代田牧場にとっては、昭和63年安田記念をニッポーテイオーで制して以来のG1勝利。オーナー でもある同牧場の飯田正剛社長は興奮冷めやらぬ表情で「もうゴール前は叫びまくったよ。調教師はじめスタッフがよく仕上げてくれたのと、吉田クンが上手に乗ってくれたおかげだね」と喜びを爆発させていた。かつては名馬ニッポーテイオのほか、ビクトリアクラウンとタレンティドガールでエリザベス女王杯を2勝している名門が、この日高らかに復活をアピールした。

 開業3年目にしてクラシック制覇の離れ業をやってのけた勢司師は「今日はスマイルに取らせてもらったもの。僕がどうこうじゃなく、彼女を褒めてやりたい」と愛馬に感謝しきり。この後はいったん千葉県の千代田牧場でひと休みした後、北海道静内の千代田牧場に帰って英気を養う予定。「僕が力んでもいい結果はでないから」と、秋の戦いにも自然体で臨む構えを見せていた。(浅野将之)

スマイルトゥモロー…牝3歳。父ホワイトマズル、母コクトビューティー(母の父サウスアトランティック)。馬主・飯田正剛氏。生産者・静内 千代田牧場。戦績・7戦4勝。重賞・14年フラワーC。総収得賞金・184、455、000円。勢司和浩調教師は初勝利、吉田豊騎手は9年メジロドーベルに次いで2勝目。
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