エリザベス女王杯 |
終わらない 無敗ロード | 2002/11/10・京都競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
ファインモーションのあまりの強さに、淀のターフは歓声でなく、どよめきに包まれた。直線入り口で逃げるユウキャラットを馬なりでかわす。ダイヤモンドビコーの追撃も軽く退け、2馬身半差をつけて圧勝。上がり3F33秒2の脚で、3歳馬初となる統一女王へのVロードを駆け抜けた。
「期待に応えられてホッとしました。レースは何があるかわからないからね」。百戦錬磨、G1 40勝目となったユタカでさえ重圧がかかる周囲の期待。しかしファインが規格外の馬であることは「こんな素晴らしい馬に巡り合えたことを大切にしたい」という言葉からもわかる。 残り1F地点、6戦目で初めて入れられたステッキ。「先生(伊藤雄師)から“今日は全力で行ってくれ”という指示。少し内にモタれたので修正する意味もありました。ムチで走る馬ではないですが、今日は古馬が相手。これまでとは違いますから」と説明した。 ファインのズバぬけた能力を見抜きながらも、これまで一歩一歩階段を上らせてきた伊藤雄師。古馬相手の今回初めて“馬を仕上げた”と言う。その過程ではテンションが上がって、追い切りの時計が速くなりすぎるという軌道のズレもあったが、その後の微調整で見事に修正。無敗の6連勝には、G1・10勝目を飾ったトレーナーの手腕も見逃せない。 その師も「これだけ強い馬と巡り合えて幸せ」と言う。また、それだけの馬を見られることが、ファンにとっての幸せだろう。次の期待は古馬との対戦。有馬記念には「馬の状態と中山の馬場状態が良ければ、出走することも考えられる」とプランの一つとなっている。 「牡馬相手は最後の関門ですが、乗ってて牝馬という感じのしない馬だから、夢が広がります」。ユタカの言葉に、競馬ファンの夢も無限大に広がってゆくことだろう。(竹下かおり) |
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