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エリザベス女王杯
 終わらない 無敗ロード 2002/11/10・京都競馬場
 
ファインモーションは4角先頭から抜け出すと古馬を一蹴。無傷V6を達成
  無敗ロードは止まらない。3歳女王を手中にしているファインモーションがエリザベス女王杯・G1で、単勝1・2倍の支持に応えて無敗6連勝を達成した。古馬一線級を相手に直線入り口で勝負を決めると、2馬身1/2差をつける完勝で3歳馬初の統一女王となった。有馬記念(12月22日)への出走は未定だが、スケール無限大の“異次元女王”には、牡馬トップホースとの対決待望論が高まるばかりだ。

 ファインモーションのあまりの強さに、淀のターフは歓声でなく、どよめきに包まれた。直線入り口で逃げるユウキャラットを馬なりでかわす。ダイヤモンドビコーの追撃も軽く退け、2馬身半差をつけて圧勝。上がり3F33秒2の脚で、3歳馬初となる統一女王へのVロードを駆け抜けた。

▼ 第27回エリザベス女王杯
1着  ファインモーション
武豊
2.13.2
  2着 ダイヤモンドビコー
ペリエ

2 1/2

  3着 レディパステル
蛯名
1 1/2

 「期待に応えられてホッとしました。レースは何があるかわからないからね」。百戦錬磨、G1 40勝目となったユタカでさえ重圧がかかる周囲の期待。しかしファインが規格外の馬であることは「こんな素晴らしい馬に巡り合えたことを大切にしたい」という言葉からもわかる。

 残り1F地点、6戦目で初めて入れられたステッキ。「先生(伊藤雄師)から“今日は全力で行ってくれ”という指示。少し内にモタれたので修正する意味もありました。ムチで走る馬ではないですが、今日は古馬が相手。これまでとは違いますから」と説明した。

 ファインのズバぬけた能力を見抜きながらも、これまで一歩一歩階段を上らせてきた伊藤雄師。古馬相手の今回初めて“馬を仕上げた”と言う。その過程ではテンションが上がって、追い切りの時計が速くなりすぎるという軌道のズレもあったが、その後の微調整で見事に修正。無敗の6連勝には、G1・10勝目を飾ったトレーナーの手腕も見逃せない。

 その師も「これだけ強い馬と巡り合えて幸せ」と言う。また、それだけの馬を見られることが、ファンにとっての幸せだろう。次の期待は古馬との対戦。有馬記念には「馬の状態と中山の馬場状態が良ければ、出走することも考えられる」とプランの一つとなっている。

 「牡馬相手は最後の関門ですが、乗ってて牝馬という感じのしない馬だから、夢が広がります」。ユタカの言葉に、競馬ファンの夢も無限大に広がってゆくことだろう。(竹下かおり)

ファインモーション…牝3歳。父デインヒル、母ココット(母の父トロイ)。馬主・伏木田達男氏。生産者・愛国 バロンズタウンスタッド。戦績・6戦6勝。重賞・02年ローズS、秋華賞。総収得賞金・277、106、000円。伊藤雄二調教師は初勝利、武豊騎手は01年トゥザヴィクトリーに次いで2勝目。
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