有馬記念 |
これが現役最強の走りだ | 2002/12/22・中山競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
同じ失敗は繰り返さない―。世界の名手・ペリエが痛恨の出遅れを演じたジャパンC3着の屈辱を晴らし、完ぺきな騎乗で3歳馬シンボリクリスエスを夢のグランプリホース、そして年度代表馬へと導いた。
細心の注意を払って好スタートを切ると、道中はクリスエスを5、6番手の内で我慢させた。「囲まれる格好になったけど、それが良かったね。前走と違って落ち着いて走っていた。自分の競馬をしようとだけ、心掛けていたんだ」とペリエはスパートの瞬間を狙う。 3コーナーからタップダンスシチーが後続を引き離す。しかし相棒の力を信じて、ギリギリまで動かない。「状態も良かったし、距離もベスト。ムチを入れたらいい反応をしてくれたし、前を見たら(相手の)脚が上がっていたからね」。場内の悲鳴に近い歓声をよそに、直線坂下からエンジン全開。失速するファインモーションを外から並ぶ間もなくかわすと、粘り込むタップをゴール寸前でキッチリ1/2馬身差し切った。 日本で6度目のG1制覇だが、有馬記念は初めて。「日本人にとって重要なレースだということがわかっていたから、勝ててうれしいね。とてもストロングな馬なので、海外でも十分に戦えると思うよ」とペリエ。これでいったん帰国して、1月下旬に再来日する予定になっている。 「この秋は厳しかったけど、よく頑張ってくれた。美浦トレセンから近い中山開催が続いて、運も良かったかな」と藤沢和師。3歳馬にして秋の古馬王道を歩み、1、3、1着と見事な結果。これで競馬記者投票で決定される年度代表馬の座も確定的。来年の海外チャレンジへと、夢は大きく膨らむ。「ドバイ、香港、宝塚記念と選択肢はあるけど、私も若くないのであまり遠くへは行きたくないね」と同師はニヤリ。プランはまだ胸の中に秘めたままだ。(村上英明) |
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