有馬記念
 これが現役最強の走りだ 2002/12/22・中山競馬場
 
シンボリクリスエスがタップダンスシチーを差し切り、G1 2勝目を飾る
  3歳馬シンボリクリスエスがゴール前一気の鬼脚で、2002年のGPを制圧した。天皇賞・秋に続く鮮やかなG1奪取で、ペリエは外国人騎手で初のグランプリジョッキーに。年度代表馬争いの“ライバル”ファインモーションは5着に失速し、現役最強の座も手中に収めた。2着にはブービー人気で同じ外国産馬タップダンスシチーが逃げ粘り、2年連続の馬連万馬券決着となった。

 同じ失敗は繰り返さない―。世界の名手・ペリエが痛恨の出遅れを演じたジャパンC3着の屈辱を晴らし、完ぺきな騎乗で3歳馬シンボリクリスエスを夢のグランプリホース、そして年度代表馬へと導いた。

▼ 第47回有馬記念
1着  シンボリクリスエス
ペリエ
2.32.6
  2着 タップダンスシチー
佐藤哲

1/2馬身

  3着 コイントス
岡部
2馬身

 細心の注意を払って好スタートを切ると、道中はクリスエスを5、6番手の内で我慢させた。「囲まれる格好になったけど、それが良かったね。前走と違って落ち着いて走っていた。自分の競馬をしようとだけ、心掛けていたんだ」とペリエはスパートの瞬間を狙う。

 3コーナーからタップダンスシチーが後続を引き離す。しかし相棒の力を信じて、ギリギリまで動かない。「状態も良かったし、距離もベスト。ムチを入れたらいい反応をしてくれたし、前を見たら(相手の)脚が上がっていたからね」。場内の悲鳴に近い歓声をよそに、直線坂下からエンジン全開。失速するファインモーションを外から並ぶ間もなくかわすと、粘り込むタップをゴール寸前でキッチリ1/2馬身差し切った。

 日本で6度目のG1制覇だが、有馬記念は初めて。「日本人にとって重要なレースだということがわかっていたから、勝ててうれしいね。とてもストロングな馬なので、海外でも十分に戦えると思うよ」とペリエ。これでいったん帰国して、1月下旬に再来日する予定になっている。

 「この秋は厳しかったけど、よく頑張ってくれた。美浦トレセンから近い中山開催が続いて、運も良かったかな」と藤沢和師。3歳馬にして秋の古馬王道を歩み、1、3、1着と見事な結果。これで競馬記者投票で決定される年度代表馬の座も確定的。来年の海外チャレンジへと、夢は大きく膨らむ。「ドバイ、香港、宝塚記念と選択肢はあるけど、私も若くないのであまり遠くへは行きたくないね」と同師はニヤリ。プランはまだ胸の中に秘めたままだ。(村上英明)

シンボリクリスエス…牡3歳。父クリスエス、母ティーケイ(母の父ゴールドマリディアン)。馬主・シンボリ牧場。生産者・米国 Tワダ。戦績・11戦6勝。重賞・02年青葉賞、神戸新聞杯、天皇賞(秋)。総収得賞金・589、210、000円。藤沢和雄調教師、O・ぺリエ騎手ともに初勝利。
Copyright(C) 2011 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp