安田記念
 復活!4年連続G1制覇だ 2003/06/08・東京競馬場
 
アドマイヤマックス(右)を外からアグネスデジタルがかわし復活V
 人知を超えた怪物だ。「安田記念・G1」(8日・東京)、長期休養明け4着から参戦で4番人気のアグネスデジタルだったが、G15勝馬は役者が違った。ゴール前の混戦を底力でねじ伏せて、昨年のフェブラリーS以来1年4カ月ぶりの勝利で復活。6つ目の“勲章”(重賞10勝目)をゲットした。次走は上半期最後のG1・宝塚記念(29日・阪神)。ここでも再び、サプライズVを狙う。

 これはサプライズか、それともミラクルか。長期休養明け4着から鮮やかな変わり身を見せたアグネスデジタルにとって、6つ目のビッグタイトル奪取はまさに記録ずくめ。史上4頭目の4年連続のG1勝利、8頭目の安田記念、マイルCSの両マイルG1制覇、そして、1分32秒1の勝ちタイムは東京芝千六のコースレコードであるのはもちろん、旧コースでのオグリキャップの1分32秒4をも上回る時計で駆け抜けた。

 「信じられない気持ち。この馬の勝負根性には頭が下がる」と白井師が言えば、「いつも驚かされているけど、きょうはホントにしびれた。感謝してます」と四位も感嘆。調教パートナーの白坂助手にいたっては「奇跡やな」。もはや、スタッフの人知さえも超えるスーパーホースといって過言ではない。

▼ 第53回安田記念
1着  アグネスデジタル
四位
1.32.1
  2着 アドマイヤマックス
武豊
クビ
  3着 ローエングリン
後藤
3/4馬身

 内めの(3)番枠が当たった時点で腹は決まっていた。「この馬場では後ろからでは届かない。好位の内をコースロスなく回ってきてほしい」という白井師の指示どおり、道中は内ラチ沿いを追走。直線でやや外に持ち出すと、ビリーヴとウインブレイズのわずかな間をはじけるように抜け出した。

 「最初から内を突くつもりだった。あかなかったらそれまで、というぐらいの気持ちだったけど、いいタイミングで前があいた」(四位)。こうなれば、大舞台で発揮してきた地力がモノをいう。ゴール前でアドマイヤマックスをきっちり首差とらえていた。

 次のターゲットは宝塚記念。「距離が延びるけど、かかるタイプじゃないから大丈夫。また驚かせてくれると思うよ」と四位はキッパリ。昨年の年度代表馬にダービー1、2着馬の参戦も見込まれる夏のグランプリ。例年にない豪華メンバーに復活を遂げたG1コレクターも加わり、盛り上がりはさらにヒートアップしそうだ。(北島稔大)

アグネスデジタル…牡6歳。父クラフティプロスペクター、母チャンシースクウォー(母の父チーフズクラウン)。馬主・渡辺孝男氏。生産者・米国CWクレイ。戦績27戦12勝(うち海外3戦1勝、地方6戦4勝)。重賞・99年全日本3歳優駿(川崎)、00年名古屋優駿(名古屋)、ユニコーンS、マイルCS、01年日本テレビ盃(船橋)、マイルCS南部杯(盛岡)、天皇賞(秋)、香港カップ(香港)、02年フェブラリーS。総収得賞金・928、892、700円(うち海外217、967、700円、地方165、300、000円)。白井寿昭調教師、四位洋文騎手ともに初勝利。
Copyright(C) 2011 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp