スプリンターズステークス |
デュランダル 怒とうの初制覇2003/10/05・中山競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
中山の直線入り口。電撃の6F戦のクライマックスは、15頭の精鋭が横一線に広がる見応えある叩き合いとなった。その一番外を回ったのがデュランダル。矢のような伸びで、先に抜け出した“女王”に襲いかかる。ビリーヴか?デュランダルか?
ゴール板を過ぎてすぐに上がったのは、池添の左手だった。「何とかかわしてくれ、と祈るような気持ちでした。思いを込めて追いましたよ」。昨年の桜花賞、アローキャリーでG1初制覇を遂げたときは涙にくれた若者も、今回は笑顔、また笑顔。 管理する坂口大師も、勝利インタビューで涙を見せたことのある人だ。期待されながらなかなか勝てなかったキングヘイローが、高松宮記念を勝ったときだった。しかし今回は満面の笑み。「ゲートをうまく出たら、展開がハマッたら…。“タラ、レバ”の付く馬。掲示板に載れれば、と思ってました」。 デュランダルの母サワヤカプリンセスを始め、その近親を数多く手がけてきた坂口大師。今年5月には全兄サイキョウサンデーが放牧中に死亡するという、悲しい出来事があったばかり。「それを考えると感慨無量ですね」。その時ばかりは伏し目がちになった。 「このあとはスワンSの予定でしたが、G1を勝ったとなると考え直さないと」。マイルCSに直行する可能性も出てきた。まだキャリア11戦のデュランダル。池添に、坂口大師に、支えるスタッフに。これから数え切れないほどの笑顔をもたらすことだろう。(竹下かおり) |
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