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スプリンターズステークス
 デュランダル 怒とうの初制覇2003/10/05・中山競馬場
 
ビリーヴ(内)を大外から鼻差で差し切ったデュランダル
  怒とうの追い込みでG前大逆転、秋のスプリント王はデュランダル―。池添騎乗の5番人気デュランダルが、最後方追走から大外一気に”鬼脚“を発揮。重賞初制覇を見事にG1「スプリンターズS」(5日・中山)で飾った。史上初となる芝6FのG1・3連覇を目指した安藤ビリーヴは、直線でいったん完全に先頭へ躍り出たものの、わずか15aの鼻差2着。ほろ苦いラストランとなった。

 中山の直線入り口。電撃の6F戦のクライマックスは、15頭の精鋭が横一線に広がる見応えある叩き合いとなった。その一番外を回ったのがデュランダル。矢のような伸びで、先に抜け出した“女王”に襲いかかる。ビリーヴか?デュランダルか?

▼ 第37回スプリンターズステークス
1着  デュランダル
池添
1.08.0
  2着 ビリーヴ
安藤
ハナ
  3着 アドマイヤマックス
武豊
1 1/4

 ゴール板を過ぎてすぐに上がったのは、池添の左手だった。「何とかかわしてくれ、と祈るような気持ちでした。思いを込めて追いましたよ」。昨年の桜花賞、アローキャリーでG1初制覇を遂げたときは涙にくれた若者も、今回は笑顔、また笑顔。

 管理する坂口大師も、勝利インタビューで涙を見せたことのある人だ。期待されながらなかなか勝てなかったキングヘイローが、高松宮記念を勝ったときだった。しかし今回は満面の笑み。「ゲートをうまく出たら、展開がハマッたら…。“タラ、レバ”の付く馬。掲示板に載れれば、と思ってました」。

 デュランダルの母サワヤカプリンセスを始め、その近親を数多く手がけてきた坂口大師。今年5月には全兄サイキョウサンデーが放牧中に死亡するという、悲しい出来事があったばかり。「それを考えると感慨無量ですね」。その時ばかりは伏し目がちになった。

 「このあとはスワンSの予定でしたが、G1を勝ったとなると考え直さないと」。マイルCSに直行する可能性も出てきた。まだキャリア11戦のデュランダル。池添に、坂口大師に、支えるスタッフに。これから数え切れないほどの笑顔をもたらすことだろう。(竹下かおり)

デュランダル…牡4歳。父サンデーサイレンス、母サワヤカプリンセス(母の父ノーザンテースト)。馬主・吉田照哉氏。生産者・千歳 社台ファーム。戦績・11戦6勝。初重賞。総収得賞金・190、552、000円。坂口正大調教師、池添謙一騎手ともに初勝利。
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