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シンボリクリスエスを連覇に導いたペリエは馬上でガッツポーズ |
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昨年の年度代表馬シンボリクリスエスが、直線で一気に突き抜けて復活。史上初の秋盾連覇を達成した。1番人気受難のレース、4カ月ぶり、しかも不利と言われた大外18番枠も難なく克服。JRAのG1・7勝目となったペリエは、菊花賞(ゼンノロブロイ)4着のミスを取り返す好騎乗。鮮やかな爆発力を引き出し、スタンドは酔いしれた。。
「まるで空を飛んでいるようだった」―。ペリエの表現が、実に的を射ていた。シンボリクリスエスの末脚は明らかに次元が違う。世界の名手のゲキに応えて直線中ほどではじけると、四肢をしっかりと伸ばしてまさに宙に浮かび上がるようなフットワークで猛襲。逃げたローエングリンを並ぶ間もなく抜き去って、そのままゴールへ一直線に飛び込んだ。史上初の天皇賞・秋連覇が成った瞬間、ペリエは右手で力強くガッツポーズ。そのあとその手を静かに胸に当て、“2週分”の喜びをかみしめた。
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第128回天皇賞(秋) |
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1着 |
シンボリクリスエス |
ペリエ |
1.58.0 |
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2着 |
ツルマルボーイ |
横山典 |
1 1/2 |
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3着 |
テンザンセイザ |
藤田 |
1 1/2 |
先週の菊花賞では、同じ藤沢和きゅう舎の2番人気ゼンノロブロイで失態を演じた。勝負どころで内に包まれ、完全に脚を余しての4着。「すべてボクの責任。馬にかわいそうなことをした」と自らを責めた。それからわずか7日後。「先週は先週、今週は今週。乗る前は悪いことは考えずに、いいことだけを考えていたよ」と気持ちを切り替えて、相棒の力だけを信じて追いまくった。
昨年の有馬記念に続いて、コンビ2度目の大仕事。オーナーが来年以降の現役続行、海外挑戦プランを示唆したと聞かされると「世界でもいいレベルにいると思う。(凱旋門賞の行われる)ロンシャンの馬場は京都に似ているし、苦にしないと思うよ」とお墨付きを出した。
自身にとっても4年連続で7度目のG1制覇、128回と伝統あるレースで初の外国人優勝ジョッキーとなった。周囲からの祝福に流ちょうな日本語で「ありがとうざいました」と答えると「ファンのために勝てたのが一番うれしい!」と満面の笑みで締めくくった。(村上英明)
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