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僚馬をかわして2歳牝馬女王に輝いたヤマニンシュクル |
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2歳女王決定戦「阪神ジュベナイルフィリーズ・G1」は大波乱の決着。直線大外から追い込んだ6番人気伏兵ヤマニンシュクルがゴール前で差し切り、2歳牝馬の頂点に立った。2着には10番人気のヤマニンアルシオン、3着に12番人気のコンコルディアが入り、3連複の37万6760円はGT史上2位の高配当。またG1で同一きゅう舎・馬主によるワンツーフィニッシュは、79年菊花賞以来、24年ぶりの快挙となった。
同じピンクの帽子の2頭が波乱を呼んだ。逃げたヤマニンアルシオンは、坂を上がってもその脚色は衰えない。これに大外から襲いかかったのは、四位が駆るヤマニンシュクルだ「手応えは十分にあった。内にいた馬(ロイヤルセランガー)をかわして“勝てる”と思ったら、まだ最内に1頭いた。かわしたのは本当にゴール前だったよね」。最後の最後で僚馬をのみ込み、2歳女王の座を射止めた。
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▼ 第55回阪神ジュべナイルフィリーズ |
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1着 |
ヤマニンシュクル |
四位 |
1.35.9 |
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2着 |
ヤマニンアルシオン |
岩田康 |
クビ |
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3着 |
コンコルディア |
柴田善 |
3/4馬身 |
大外不利といわれる阪神マイル戦で(16)番。枠順確定後は「最初のコーナーをどう乗るか」ばかり考えていたという。そのかいあって、向こう正面では思い通り中団馬群の後ろへ。あとは「(前走からの2カ月間で)いい意味でどっしりして重みが出てきた。走りっぷりが変わってきたから楽しみだなと思っていた」という能力を出し切るだけだった。
管理馬2頭、馬主も同じ“ヤマニン”勢でワンツーを決めた浅見師は「直線は(17)番(アルシオン)を重点に見ていたら、ゴール前でシュクルが来た。こんなにうれしいことはない」。G1では1979年菊花賞のハシハーミット、ハシクランツ(内藤繁春師・シンザンC)以来の快挙に興奮冷めやらぬ口調だった。
この後は来春に備えてひと息入れる予定。「受けて立つと言っても、牝馬のことですから。より成長させて頑張りたい」。まだまだ成長途上。クラシックの舞台にはさらにパワーアップした2歳女王の姿が見られそうだ。(小村竜一)
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