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サニングデールがデュランダルを振り切ってG1初制覇=中京競馬場 |
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「第34回高松宮記念・G1」は、2番人気のサニングデールが、直線で鮮やかに抜け出してG1初制覇。昨年2着の雪辱を果たし、春のスプリント王に輝いた。福永は高松宮記念初V。JRA通算5回目となるG1勝利を挙げた。1番人気のデュランダルは、鬼脚を駆使したものの、あと一歩届かず2着に終わった。
スタンドに大歓声が鳴り響く。電撃の6F戦。最後の直線で馬場の真ん中から、黒鹿毛の馬体がはずむように伸びてくる。サニングデールだ。逃げるギャラントアローをかわすと、後方からデュランダルが鬼脚で迫る。それでも、福永が振るうこん身のムチにしっかりと応え、クビ差振り切った。
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第34回高松宮記念 |
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1着 |
サニングデール |
福永 |
1.7.9 |
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2着 |
デュランダル |
池添 |
クビ |
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3着 |
キーンランドスワン |
四位 |
1 1/2 |
ゴールを過ぎると、福永は右手を力強く握り締めガッツポーズ。ポンと愛馬の首をたたき労をねぎらった。「去年2着だったので、本当にうれしいです」と会心の笑みを浮かべる。福永にとって、デビューの地であり、同レースは2着に敗れること2回。「思い出のある場所なので」と感慨にふけっていた。
昨年は大外枠だったこともあり、追い込みが届かなかった。「今年はいい枠が当たったんで言い訳できなかった」と満を持して、リベンジに臨んだ。加えて、前哨戦の阪急杯では、名古屋の名手・吉田稔が手綱を取って1着。重圧もあった。「稔さんが前に乗っていたので、負けたら何を言われるか。2着だと思うとゾッとしますね」と、このときばかりは安どの表情で振り返る。
関係者にとっても、どうしても取りたいタイトルだった。馬主の後藤繁樹氏(60)は愛知県出身。地元でのG1初制覇に「やはり感激が違う」と喜びをかみしめる。「去年のこともあり、どうしても(福永)祐一に乗らせたかった。よく期待に応えてくれました」20日に90歳で亡くなった母・富子さんにもいい供養ができた。
レース後に戻ってきた福永と抱き合い、喜びを分かち合った瀬戸口師は「最後の直線で外から持ち出したときは、ひょっとしたら届くかなと思った。念願のG1だったので、とてもうれしい」と顔を紅潮させる。放牧先で体調を崩したサニング。立て直すのに時間がかかったが、狙ったタイトルを手にすることができた。気になる今後については、「きょうが目標だったので、馬の状態をみて、しばらく考える」と同師。これからは“王者”としての戦いが始まる。(中江 寿)
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