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天皇賞(春)
 圧勝 イングランディーレ逃走V 2004/05/02・京都競馬場
 
伏兵イングランディーレが7馬身差をつけて栄光のゴール=京都競馬場
  古馬の祭典は大波乱!?「天皇賞(春)・G1」は伏兵、横山典・イングランディーレの大逃走Vに9万ファンをのみ込んだ淀のスタンドもア然ボウ然。後ろでけん制し合う4歳4強は成すすべを失ったか、ゼンノロブロイが意地の2着を確保したが7馬身の差をつけられ、人気のリンカーン、ネオユニヴァース、ザッツザプレンティは見せ場なく馬群に沈んだ。清水美きゅう舎はG1初勝利、横山典は関東騎手のG1連敗をmで止め、自身は3年半ぶりのG1勝利となった。

 逃げた、逃げた。大逃げだ。後ろでけん制し合う有力馬たちをあざ笑うかのよう。伏兵イングランディーレがまんまと逃げ切った。しかも、史上2番目タイとなる7馬身差の圧勝までつけた。

▼ 第129回天皇賞・春
1着  イングランディーレ
横山典
3.18.4
  2着 ゼンノロブロイ
オリヴァー
7馬身
  3着 シルクフェイマス
四位
1 3/4
  作戦は決まっていた。逃げるだけ。何も競りかけてこない。グングン差が広がって行く。2周目3角では20馬身以上。場内がどよめき出す。4角ではまだ10馬身以上。残り300メートルあたりでターフビジョンに目をやった横山典は、ほぼ勝利を確信できたはず。しかし「フワフワするところがあるので最後までキッチリと追った」。左ステッキで激励すると、それに促されるように、真っ先に夢のG1ゴールへ飛び込んだ。

 前走後、熱発で3日ほど休むアクシデント。それを見事に乗り越えた。「頭の中が真っ白になったよ。この1カ月間ビシビシやって状態を上げてきました」と喜びをかみしめる清水美師。きゅう舎開業23年目のG1初Vになった。

 関東ジョッキーのG1連敗を“30”で止めて、自身も約3年半ぶり、4度目のテン乗りVとなった横山典。騎乗依頼されたのは池添の結婚式での席上だったという。「気を抜かないために歌いながら走ってたよ。きょうは馬をほめてあげたい」と笑顔を見せる。

 この後は宝塚記念(6月27日、阪神)へ。ダート重賞にも2つの白星があるたたき上げの個性派G1ホースの誕生に、淀のスタンドはいつまでもどよめきが収まらなかった。(村上英明)

イングランディーレ…牡5歳。父ホワイトマズル、母マリリンモモコ(母の父リアルシャダイ)。馬主・吉田千津氏。生産者・千歳 社台ファーム。戦績・28戦8勝(うち地方5戦2勝)。重賞・03年ダイヤモンドS、日経賞、BゴールドC(旭川)、白山大賞典(金沢)。総収得賞金・300、403、000円(うち地方88、550、000円)。清水美波調教師は初勝利、横山典弘騎手は96年サクラローレルに次いで2勝目。
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