|
|
伏兵イングランディーレが7馬身差をつけて栄光のゴール=京都競馬場 |
|
古馬の祭典は大波乱!?「天皇賞(春)・G1」は伏兵、横山典・イングランディーレの大逃走Vに9万ファンをのみ込んだ淀のスタンドもア然ボウ然。後ろでけん制し合う4歳4強は成すすべを失ったか、ゼンノロブロイが意地の2着を確保したが7馬身の差をつけられ、人気のリンカーン、ネオユニヴァース、ザッツザプレンティは見せ場なく馬群に沈んだ。清水美きゅう舎はG1初勝利、横山典は関東騎手のG1連敗をmで止め、自身は3年半ぶりのG1勝利となった。
逃げた、逃げた。大逃げだ。後ろでけん制し合う有力馬たちをあざ笑うかのよう。伏兵イングランディーレがまんまと逃げ切った。しかも、史上2番目タイとなる7馬身差の圧勝までつけた。
|
▼
第129回天皇賞・春 |
|
1着 |
イングランディーレ |
横山典 |
3.18.4 |
|
2着 |
ゼンノロブロイ |
オリヴァー |
7馬身 |
|
3着 |
シルクフェイマス |
四位 |
1 3/4 |
作戦は決まっていた。逃げるだけ。何も競りかけてこない。グングン差が広がって行く。2周目3角では20馬身以上。場内がどよめき出す。4角ではまだ10馬身以上。残り300メートルあたりでターフビジョンに目をやった横山典は、ほぼ勝利を確信できたはず。しかし「フワフワするところがあるので最後までキッチリと追った」。左ステッキで激励すると、それに促されるように、真っ先に夢のG1ゴールへ飛び込んだ。
前走後、熱発で3日ほど休むアクシデント。それを見事に乗り越えた。「頭の中が真っ白になったよ。この1カ月間ビシビシやって状態を上げてきました」と喜びをかみしめる清水美師。きゅう舎開業23年目のG1初Vになった。
関東ジョッキーのG1連敗を“30”で止めて、自身も約3年半ぶり、4度目のテン乗りVとなった横山典。騎乗依頼されたのは池添の結婚式での席上だったという。「気を抜かないために歌いながら走ってたよ。きょうは馬をほめてあげたい」と笑顔を見せる。
この後は宝塚記念(6月27日、阪神)へ。ダート重賞にも2つの白星があるたたき上げの個性派G1ホースの誕生に、淀のスタンドはいつまでもどよめきが収まらなかった。(村上英明)
|