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抜群の瞬発力でキングカメハメハは後続を引き離し圧勝=東京競馬場 |
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まずは最初のタイトルをゲット―。「NHKマイルカップ・G1」は1番人気のキングカメハメが、レースレコードで5馬身差をつける圧勝劇。ダービーへ向けて、大いに存在をアピールした。2、3着にはコスモサンビーム、メイショウボーラーが続き、シーキングザダイヤは7着に終わった。
雨に煙る東京競馬場に、1頭だけ次元の違う馬がいた。キングカメハメハだ。ゲートをスムーズに飛び出すと、鞍上の指示に従いスッと中団の外に控える。タイキバカラが掛かり気味にハナへ立ち、ペースは上がったが、自分のリズムを崩さず追走。直線に入り、GOサインを受けるとエンジン全開。抜群の瞬発力で一瞬のうちに先頭に立つと、2着馬に5馬身差をつけた。
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第9回NHKマイルC |
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1着 |
キングカメハメハ |
安藤 |
1.32.5 |
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2着 |
コスモサンビーム |
四位 |
5馬身 |
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3着 |
メイショウボーラー |
福永 |
1 3/4 |
まさに横綱相撲。文句なしの内容に安藤は「強かったですねえ。勝ち時計も大したもの」と笑顔を浮かべて振り返る。返し馬から抜群の感触。「フットワークが柔らかかった。この馬のリズムで走らせれば」と、自信を持って本番に臨んだ。道中は理想的な位置取り。「少々外を回っても、勝てると思った」。名手の期待にきっちりと応えた。
会心の勝利に松田国師は「向こう正面で掛かることもなく、真ん中の位置に下げて、しまいもきっちりと伸びてきた」と納得の表情。「現時点ではまだ、つかみ切れていない。今は右肩上がり」と、カメハメハの成長ぶりに舌を巻いた。安藤も「最初のころのずるさがなくなり、俊敏に反応してくれる」と目を細める。
陣営が抱く野望は、これまで管理したクロフネ、タニノギムレットでなし得なかったNHKマイルC、ダービーのG1連覇。まずは第一関門を突破した。「これが終わりではない。ダービーにつなげないと」と、松田国師は勝利の余韻に浸るヒマはない。“第2幕”までは中2週。「間隔が短いので、いかにクリアするか」と、早くも先を見据える。ダービーでの騎乗について明言を避けた安藤だが、「馬が利口ですから。跳びの大きさからして、二千四百メートルはいいと思う。左回りも苦にしなかったからね」と太鼓判を押した。進化を続けるカメハメハが、大きな一歩を踏み出した。(中江 寿)
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