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積極策が決まったダイワエルシエーロ(右)が会心の勝利=東京競馬場 |
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ユーイチ鮮やか頭脳プレー。「第65回オークス・G1」は6番人気ダイワエルシエーロが、差しに回ったここ2走とは一転、2角先頭の積極策から押し切り。前後半5Fを62秒0〜59秒0の絶妙ラップで、スイープトウショウの末脚を3/4馬身封じた。圧倒的1番人気に推されたダンスインザムードは直線伸びあぐねて4着。馬単は3万430円、3着ヤマニンアラバスタとの3連複は6万3460円の波乱となった。
本番前夜。ダイワエルシエーロとコンビを組むユーイチは、新聞を広げ考えていた。“1強”ムードの第65回オークス。「ダンスインザムードを負かすには、どうしたらいいのか」。見渡せばこれといった逃げ馬がいない。「逃げよう。一発狙ってやろう!」。ユーイチの腹は決まった。
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第65回オークス |
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1着 |
ダイワエルシエーロ |
福永 |
2.27.2 |
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2着 |
スイープトウショウ |
池添 |
3/4馬身 |
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3着 |
ヤマニンアラバスタ |
江田照 |
3馬身 |
レースはウイングレットの逃げで始まった。しかし物見をし外へ逃げるのを見て、ユーイチは2コーナーで“予定通り”先頭へ。回転の速いフットワークは、雨で緩くなった馬場をモノともしない。「頑張れ、頑張れ!」。鞍上に励まされ、直線も懸命に踏ん張るエルシエーロ。一完歩ずつ迫り来るスイープトウショウの影も振り切り先頭でゴール。ユーイチが頭脳プレーで見事に勝利へと導いた。
「好騎乗に尽きます」。検量室前で出迎えた松田国師は開口一番、鞍上を褒めたたえた。大外(18)番枠からのスタートで、力を出し切れなかった桜花賞。ユーイチは「あの時は悔しかったから、今日は本当にうれしい。うまくいきましたね。馬がよく頑張ってくれました」と、エルシエーロの労をねぎらう。
今年はサニングデールに続きG12勝目(通算6勝)。クラシックは99年桜花賞に続く2度目の制覇に「(父の洋一氏も)喜んでくれてると思います。少しでも近づけたかな」。ジョッキーとしてグングン力をつけてきているユーイチには、夢半ばでリタイアした父の背中がハッキリと見えてきたようだ。(竹下かおり)
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