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馬群をさばいて鮮やかに抜け出したツルマルボーイ=東京競馬場 |
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悲願のG1制覇だ。「安田記念・G1」(7日・東京)は、6番人気のツルマルボーイが1分32秒6のタイムで春のマイル王に輝き、G1・8度目の挑戦で初タイトルを獲得。過去3度の2着があったが、安藤との初コンビでシルバーメダルコレクターを返上した。安藤は5月30日の日本ダービーに続くG1連覇で、早くも今年のG1・4勝目となった。2着には4番人気のテレグノシス、G1・2勝のファインモーションは13着に沈んだ。
内外いっぱいに広がっての追い比べ。小雨の中で行われた春のマイル王決定戦は、見応えある叩き合いとなった。内からバランスオブゲーム、外からテレグノシスが勝利への執念を見せる。割って入ったのがツルマルボーイだ。
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第54回安田記念 |
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1着 |
ツルマルボーイ |
安藤 |
1.32.6 |
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2着 |
テレグノシス |
勝浦 |
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3着 |
バランスオブゲーム |
田中勝 |
1 3/4 |
「返し馬で気持ち良さそうに走ってたので(湿った馬場も)これぐらいなら大丈夫かな、と。4コーナーで外に出すかどうか迷ったけど、手応えが良かったのでさばけると思いました」。ちょうど1週前、東京競馬場の大観衆を酔わせたばかりのダービージョッキー・安藤の冷静な判断が“シルバーコレクター”を初めて金メダル獲得へ導いた。
ダービーでは2着(ハーツクライ)と悔しい思いをした橋口師も、この日は笑みがこぼれた。「安藤くんがうまく乗ってくれたよ。ボーイはG12着が3回あるけど、それではダメ。やっぱりタイトルがないと」。引退後は種牡馬にというプランがあるだけに、どうしてもほしかったG1の勲章。これまで中長距離路線をひた走ってきたボーイにとっては、今回が初めてマイルG1への挑戦だった。
「一部マスコミの人たちから“東京のマイルなら勝てるのでは?”と進言があって。これからもっとマスコミの人の言うことを聞くようにしなきゃ」。そう言って記者会見場を笑いの渦に巻き込んだ。毎回のようにG1に有力馬を送り込む橋口師だが、父ダンスインザダーク、母ツルマルガールという“自社ブランド”での勝利の味は、やはり格別だったようだ。
このあとは宝塚記念へ。「2年連続2着だから今年こそ、だね。今回で“勝ちグセ”がついてくれたらいいな」。好リズムをつかんだツルマルボーイ。今年は“ゴールドコレクター”へと変身するかもしれない。(竹下かおり)
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