宝塚記念 |
タップダンス 凱旋門へねじ伏せた | 2004/06/27・阪神競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||
もう、しびれる感激を胸にしまっておけなかった。6万を超すスタンドの大歓声に迎えられたウイニングラン。佐藤哲はタップダンスシチーの馬上に立ち、ムチを投げ入れ、続いてゴーグル、ヘルメットも高々と舞い上げた。「タップの強さが証明できた。うれしい」―この思いでいっぱいだった。
タップのいつも通りの正攻法。「これで差されたらしゃあない」。タップから伝わる、ガツンとくる手応えを信じ一気にロングスパートをかけた。あとはもう、タップの独壇場。後続を寄せつけることなく鮮やかに完封してみせた。 タップを挟んで調教師、騎手が一体となってつかんだ栄冠。昨秋のジャパンCに続くG12勝目は、間違いなく現役最強を実証するものだった。「3角手前ではタップがハミを取って自分から行った。馬がよほど強くないとできない芸当でしょう」―。 お立ち台の佐藤哲は晴れやかに胸を張った。佐々木晶師も同じ思いを口にした。「今の4歳馬より強いと思ってるし、自信を持って仕上げました。生意気言うようですけど、勝って当然と思ってましたよ」。 「老いてますます盛ん」(佐々木晶師)のタップは、10歳まで現役続行の意欲さえみせた。その前に世界の最高峰、フランスの凱旋門賞(10月3日・ロンシャン競馬場)挑戦が待っている。佐藤哲は「結果を恐れず、タップとともに勉強してきます」と、力強く締めくくった。(橋本進) |
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