宝塚記念
 タップダンス 凱旋門へねじ伏せた 2004/06/27・阪神競馬場
 

後続を寄せ付けず圧勝したタップダンスシチー=阪神競馬場

  老雄・タップの舞鮮やか―。上半期を締めくくる大一番「宝塚記念・G1」(27日・阪神)は1番人気、7歳馬タップダンスシチーが3コーナー手前からロングスパート。堂々の正攻法で2着シルクフェイマスに2馬身差をつけ、昨秋のジャパンCに続くG12勝目を挙げた。タップはこの後、相棒・佐藤哲とともに世界の凱旋門賞に挑むことになる。

 もう、しびれる感激を胸にしまっておけなかった。6万を超すスタンドの大歓声に迎えられたウイニングラン。佐藤哲はタップダンスシチーの馬上に立ち、ムチを投げ入れ、続いてゴーグル、ヘルメットも高々と舞い上げた。「タップの強さが証明できた。うれしい」―この思いでいっぱいだった。

▼ 第45回宝塚記念
1着  タップダンスシチー
佐藤哲
2.11.2
  2着 シルクフェイマス
四位

2馬身

  3着 リンカーン
武豊
3/4馬身
  15番大外枠。スタートを決めると、絶好のポジションを取りに内へ切れ込んで行った。予想通り、ローエングリンがハナを切ってホットシークレットを前に見ながらの3番手。横山典・ローエンがスローに落としかけた3角手前。スタンドの佐々木晶師が「今や、行け!」。その胸の叫びが届いたかのように佐藤哲のゴーサインが出た。

 タップのいつも通りの正攻法。「これで差されたらしゃあない」。タップから伝わる、ガツンとくる手応えを信じ一気にロングスパートをかけた。あとはもう、タップの独壇場。後続を寄せつけることなく鮮やかに完封してみせた。

 タップを挟んで調教師、騎手が一体となってつかんだ栄冠。昨秋のジャパンCに続くG12勝目は、間違いなく現役最強を実証するものだった。「3角手前ではタップがハミを取って自分から行った。馬がよほど強くないとできない芸当でしょう」―。

 お立ち台の佐藤哲は晴れやかに胸を張った。佐々木晶師も同じ思いを口にした。「今の4歳馬より強いと思ってるし、自信を持って仕上げました。生意気言うようですけど、勝って当然と思ってましたよ」。

 「老いてますます盛ん」(佐々木晶師)のタップは、10歳まで現役続行の意欲さえみせた。その前に世界の最高峰、フランスの凱旋門賞(10月3日・ロンシャン競馬場)挑戦が待っている。佐藤哲は「結果を恐れず、タップとともに勉強してきます」と、力強く締めくくった。(橋本進)

タップダンスシチー…牡7歳。父プレザントタップ、母オールダンス(母の父ノーザンダンサー)。馬主・蒲F駿ホースクラブ。生産者・米国 エコーヴァリーホースファーム。戦績・35戦11勝。重賞・02年朝日チャレンジC、03年金鯱賞、京都大賞典、ジャパンC、04年金鯱賞。総収得賞金・946、555、000円。佐々木晶三調教師、佐藤哲三騎手ともに初勝利。
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