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スイープトウショウがヤマニンシュクルをとらえG1初勝利=京都競馬場 |
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涙のG1、池添・スイープが悲願の1冠奪取だ。「第9回秋華賞・G1」は17日、京都11Rで行われ、2番人気のスイープトウショウが、直線で自慢の末脚をサク裂させてG1初制覇を成し遂げた。2着にはヤマニンシュクル、圧倒的1番人気だったダンスインザムードはゴール前で脚が止まり10番人気のウイングレットが3着に入り、3連単は24万円の高配当となった。
自分を信じ、スイープトウショウを信じた結果だった。最後の直線。強烈なラストスパートをかけると、先に抜け出しを図るヤマニンシュクルをゴール前で交わす。ラスト3F33秒9。春には届かなかったタイトルを、強力な末脚を駆使してもぎ取った。勝利を確認すると、池添は思わず左手を天に突き上げる。3歳牝馬最強を証明した。
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第9回秋華賞 |
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1着 |
スイープトウショウ |
池添 |
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2着 |
ヤマニンシュクル |
四位 |
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3着 |
ウイングレット |
田中勝 |
5馬身 |
ぬぐってもぬぐってもあふれてくる涙。検量室に引き揚げてくると、周囲の祝福に目頭を押さえながら、「ありがとうございます」と頭を下げる。これまで歩んできたスイープトウショウとの道のり。決して平たんではなかったが、大舞台で最高の結果を出すことができ、思わず感極まった。
きゅう舎一丸で手にした勝利だった。今春、引退した渡辺きゅう舎から、師匠の鶴留きゅう舎へ移籍したスイープ。気性が激しく、ケイコを満足につけることはできなかった。池添は連日のように攻め馬を行ったが、運動量が足りない。その分、担当の鎌田きゅう務員が2時間かけて引き運動を行い補った。「池添やきゅう務員の鎌田が頑張ってくれた。何年かぶりできゅう舎も盛り上がっていた」と鶴留師の声も思わず震えた。
池添にとってもデビュー時に所属したきゅう舎。「師匠の馬でG1を取ることができて本当によかった」と、このときははちきれんばかりの笑顔を浮かべた。観戦に訪れた宏実夫人(24)は来春に出産予定。「鳥肌が立ちました。本当によかったです」とお腹をなでながら喜びに浸った。
11月8日以降にゲート再審査を受けなければならないが、クリアすればエリザベス女王杯(11月14日・京都)へ向かう。古馬との初対決に、「チャレンジャーのつもりで頑張ります」と池添は控えめだが、表情は自信にあふれている。黄金コンビが、次に狙うは最強牝馬の称号だ。(中江 寿)
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