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デルタブルースの岩田康は中央G1制覇にガッツポーズ=京都競馬場 |
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乱菊の主役は今年もダンスインザダーク産駒―。。「第65回菊花賞・G1」は24日行われ、3番手追走のデルタブルースが3角過ぎからスパートをかけると、後続を振り切って快勝。春はクラシックの舞台を踏めなかったが、G1初出走で初勝利を飾った。岩田康、角居師もG1初勝利。北海道から参戦のコスモバルクは4着、1番人気ハーツクライは7着に終わり、馬単は3万6510円で3年連続の万馬券。3連単は12万円台の決着となった。
淀の3コーナー。デルタブルースは下りを利用して加速をつけながらスパートをかける。直線入り口で逃げるコスモバルクに並びかけると、グッとハミを取ってさらにもうひと伸び。後続に影すら踏ませず、1馬身1/4差をつけてゴールに飛び込んだ。
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第65回菊花賞 |
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1着 |
デルタブルース |
岩田康 |
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2着 |
ホオキパウェーブ |
横山典 |
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3着 |
オペラシチー |
佐藤哲 |
1/2馬身 |
「人気もなかったので、見せ場だけはつくろうと思ったけど。やってもうた」。これが中央G1、8度目の騎乗だった岩田康は、喜びよりも驚きが先立った。それでも、ゴール直後は左手でガッツポーズ。体は素直に反応した。
春の天皇賞でヴィータローザで12着。地方で経験したことのない長距離。結果よりもペースに戸惑ったことが許せなかった。その悔しさを胸に、菊花賞へ向けてのペース配分を自分なりに勉強。その努力が本番で実を結んだ。「馬は走る気満々。最後はボクの方が焦ってしまった」と照れ笑いを浮かべた。
昨年のザッツザプレンティに続く、ダンスインザダーク産駒の父子制覇。切れる脚はないが、バテずに長くいい脚を使える脚質からも、陣営は長距離適性を感じていた。その特徴を生かすために考えたロングスパートの作戦が見事に的中。角居師は「うれしいですけど、びっくりしているだけ。ゴールしたときは自分の馬かよく分からなかった」と笑みを浮かべながらも、G1初勝利の実感はまだわいていない様子だった。
春のクラシックには参戦できず、裏街道を歩みながら最後の1冠の舞台で頂点へ。今後は休養に入る予定だったが、「オーナーと相談しないといけませんね」と角居師は、ジャパンC、有馬記念への参戦を示唆した。大きな勲章を手にして、堂々と表舞台を進んでいく。(中江 寿)
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