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豪快に差し切ったアドマイヤグルーヴ(中央)が最強牝馬を証明=京都競馬場 |
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女王の座は渡さない―。晩秋の淀の直線を力強く追い上げたアドマイヤグルーヴが貫録をみせつけ、「第29回エリザベス女王杯・G1」で連覇を達成した。武豊は天皇賞・春(89〜92年)以来となる同一G1・4連覇の偉業。人馬ともに快挙を果たした。2着にはオースミハルカが粘り、3着はエルノヴァ。1番人気の3歳女王スイープトウショウは伸びきれず5着がやっと。
直線で内がポッカリとあく。勝利への道だ。アドマイヤグルーヴはGOサインを受けるとグングンと差し脚を伸ばす。2番手から抜け出したオースミハルカを、ゴール前でかわし、見事に連覇を達成。最強牝馬を証明した瞬間だった。
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第29回エリザベス女王杯 |
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1着 |
アドマイヤグルーヴ |
武豊 |
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2着 |
オースミハルカ |
川島 |
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3着 |
エルノヴァ |
ペリエ |
1 1/4 |
天皇賞から中1週。厳しいローテながら、陣営はきっちりと仕上げてきた。前走と同じ馬体重。パドック、返し馬での落ち着いた姿。「天皇賞よりいい雰囲気だった」と武豊は手応えをつかんでいた。レースは先行有利のスローな流れ。だが、動じることはなかった。「折り合いもついていたし、直線に向いて軽く肩ムチを入れたら、いい結果が出るときの反応をしてくれた」と愛馬の労をねぎらった。
「調子を落とさずにレースに持ってくることができた。ゴール手前では勝ったと思った」と橋田師も表情を崩す。「昨年の方が状態はよかったが、筋肉も幅が出て、精神的にも落ち着いていたことが補ってくれた」と話す。年齢を重ね心身ともにパワーアップした。
グルーヴは連覇、武豊は天皇賞・春(89〜92年)以来となる同一G1・4連覇の快挙。「昨年は悲願のG1、今年は牝馬の最強としてトップに立てた」と名手は語る。自身の記録については、「いつも強い馬に乗っていたから」と照れ笑いを浮かべた。マイルCSではファインモーションに騎乗する。ファイン陣営が配慮して、エリザベス女王杯から切り替えただけに、「2頭が出ることになっていたら、つらい決断になるところだった。期待に応えたい」と闘志を燃やした。
年内は生まれ故郷のノーザンファームで休養に入るグルーヴ。来春に復帰して狙うは混合G1制覇だ。「牡馬に交じると本来の動きが出ない。今後はそこが目標ですね」と武豊も期待をかける。天皇賞・秋を制した母エアグルーヴのように。復権を果たした名コンビは同じ道を目指す。
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