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2歳女王の座に就いたショウナンパントル(中)=阪神競馬場 |
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「第56回阪神ジュベナイルフィリーズ・G1」は5日、阪神11Rで行われ、無敗の2歳女王を目指した2強の間から、ゴール前突き抜けた。吉田豊騎乗の8番人気ショウナンパントルが、直線で抜け出したアンブロワーズを頭差とらえ、断然人気ラインクラフトの追撃を抑え、3頭横一線の激闘を制して金星を飾った。大久保洋きゅう舎ではメジロドーベル以来のスター候補誕生。来春はそのドーベルがなし得なかった桜の女王へ飛躍をかける。
“伝説の名牝”メジロドーベルを世に送り出した名門きゅう舎から、ショウナンパントルというニューヒロインが誕生。近親にバブルガムフェロー、ザッツザプレンティと血統は超一流。大久保洋師の口からは早くも「ドーベルはひとつ穴が空いているので、その穴を埋めて欲しい」と力強いコメント。ドーベルが唯一勝てなかった牝馬G1が桜花賞。もう視線は来春に向いているのだ。
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第56回阪神ジュベナイルフィリーズ |
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1着 |
ショウナンパントル |
吉田豊 |
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2着 |
アンブロワーズ |
ホワイト |
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3着 |
ラインクラフト |
福永 |
ハナ |
千メートル通過は59秒4。直線に向いたところで5番手を追走していたアンブロワーズが満を持して抜け出し、それをマークしていた断然人気のラインクラフトが襲い掛かる。この無敗のステークスウイナー同士の一騎打ちかと思われたその時、後方で息を潜めていたショウナンパントルの末脚が爆発。ラスト3F34秒4で馬群を切り裂き、壮絶な叩き合いを頭差制して、ヒシアマゾン以来となる1勝馬のチャンピオンに輝いた。
「いい枠だったこともあり、折り合いに専念できた。うまい具合に内が空いたので、コーナーをロスなく回れたね。切れ味は一級品だから、力強さがもっと出てくればスゴい馬になりますよ」と吉田豊も絶賛。これでG1は8勝目だが、そのうち7つが牝馬限定戦。女心の分かるジョッキーなのは相変わらずだ。
「前回の京都では、馬房の近くに工場があったせいかイレ込んでいたが、今回は大丈夫だった。コーナーもスムーズに回れたし、いろんな面がうまくいったね」と大久保洋師は満足そうな表情だった。
この後はきゅう舎に置いて調整する予定で、来春の始動はチューリップ賞が有力。ドーベルとはこれからずっと比較され続けるだろうが、それに応えるだけのポテンシャルを秘めた馬なのは間違いないようだ。
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