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早めに先頭に立ったラインクラフトが後続の猛追を振り切り戴冠=阪神競馬場 |
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やはり強かった。ラインクラフトが好位から抜け出して、桜の女王に輝いた。勝ちタイムの1分33秒5は昨年を0・1秒上回るレースレコード。うれしいG1初制覇となった。福永は99年のプリモディーネ、瀬戸口師も94年のオグリローマン以来となる桜花賞2勝目を手にした。
外枠の不利も体調の不安説も吹き飛ばした。ラインクラフトは好スタートを切ると、好位の外へつける。福永との呼吸もピッタリで、スムーズに折り合いながら直線へ。先に抜け出しを図るデアリングハートをとらえ、猛追するシーザリオを頭差抑えてゴール。桜の女王の座をつかんだ。
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第65回桜花賞 |
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1着 |
ラインクラフト |
福永 |
1.33.5 |
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2着 |
シーザリオ |
吉田稔 |
アタマ |
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3着 |
デアリングハート |
デムー |
クビ |
「馬がよく頑張ってくれた。外枠だったけど、最初のコーナーをスムーズに回ればチャンスはあると思っていた」。今年早くもG12勝目、重賞も7勝目と絶好調の福永は会心の笑みを浮かべる。「思ったより前になったが、無理して取った位置でもなかった。強い馬でしか勝てない勝ち方。強気のレースに応えてくれた馬に感謝したい」と愛馬を称えた。
豪快に勝利を飾ったフィリーズレビュー。前走後は激戦の疲労がなかなか取れなかった。じっくりと回復に努め、1週前追い切りでは元気な動きを披露。瀬戸口師も「疲れが残るか心配だったが、追い切り後もどうもなかった。これならと思った」と感触を得た。立て直しに成功して本番へ臨むことができた。
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祝福の歓声にガッツポーズで応える福永祐一=阪神競馬場 |
昨年の教訓も実を結ぶ。ダイワエルシエーロは大外枠。そのときに、福永は桜花賞4勝の河内師にアドバイスを求めた。「ポジションを気にせずに、最初は馬の行く気に任せろと言われた。ダンスインザムードにその位置を取られて、外にはじかれたけど。でも、聞いていなかったら、今回は後ろから行っていたかもしれない。感謝しています」とお礼を述べた。
今後はオークス(5月22日・東京)への直行が有力。「距離は長いような気はするが、行くことになると思う。NHKマイルCは強い牡馬が相手だから」と瀬戸口師は話す。福永は「3歳春の時期。折り合いさえつけば」と能力の高さと完成度で克服できるとみる。新たな壁が立ちはだかっても、乗り越えることができるはずだ。(中江 寿)
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