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1番人気のシーザリオ(手前)がゴール前、首差とらえオークスを制覇。2着にエアメサイア(右奥)=東京競馬場 |
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圧倒的支持を集めたシーザリオが堂々の差し切り勝ち。道中は後方からの競馬でヒヤリとさせたが、直線に入って末脚を伸ばし、ゴール前でエアメサイアをきっちりとかわした。次走は、昨年ダンスインザムードが挑んだ(2着)アメリカンオークス挑戦のプランも浮上。鞍上の福永は昨年に続いての連覇で今年G1・4勝目、単勝の150円は最低配当タイ、馬連630円は最低配当と人気通りの結果に終わった。
ゴール寸前でエアメサイアをクビ差とらえたシーザリオが第66代の樫の女王を射止めた。だが「ごめんなさい」―。レース後に福永が角居師にかけた第一声は反省の弁。終わってみれば着差以上に強い内容だったが、道中は見てる側をヒヤヒヤさせ続けた。
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第66回オークス(優駿牝馬) |
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1着 |
シーザリオ |
福永 |
2.28.8 |
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2着 |
エアメサイア |
武豊 |
クビ |
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3着 |
ディアデラノビア |
デザーモ |
クビ |
出脚がつかずに後方からの競馬。逃げることも考えていた福永とシーザリオにとって最大の試練となった。しかもスローペースで道中は周りを囲まれ、出るに出られない形。それでも、直線は斜め前にいる僚馬ディアデラノビアに食らい付くように脚を伸ばし、ゴール寸前でまとめて差し切った。
「馬に勝たせてもらった。いい仕事をしたとは言えない」とユーイチ。それでも、今年G1・4勝目をつかんだジョッキーは馬を信じて折り合いに専念する冷静さで相棒を勝利へ導いた。それに応えた馬もまた立派。「届かないかと思ったけど、素晴らしい脚だった。大した馬だと思った」とパートナーを褒め称えた。
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プNHKマイルCに続いてG1連覇の福永(右)は工藤静香の祝福に笑顔=東京競馬場 |
角居師は04年の菊花賞をデルタブルースで制して以来のG1・2勝目。満面の笑みの中にも、大本命の責任を果たした安ど感が漂う。「スローだったし、間に合うのかなと思った」。肝を冷やした心境をトレーナーは振り返る。それでも「福永君が教えてくれたことがすべてプラスに働いているし、桜花賞の力さえ出せば結果は出ると信じていた」と馬と鞍上に対して師は絶対的な信頼を寄せていたことを強調した。
最後はビッグプランも明かした。「馬の状態を見たうえでアメリカンオークス(米G1、7月3日・ハリウッドパーク競馬場、芝10F)にディアデラノビア(3着)とともに挑戦したい」と世界に目を向けた。それを聞いた福永も「海外でも十分に通用する素質を持っている。ぜひ行くべき馬です」と目を輝かせる。いざアメリカへ―。コンビを組んで4戦全勝と息ぴったりの最強タッグが、世界へと雄飛する。(井上達也)
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