ダービー(東京優駿) |
無敗2冠 強すぎるインパクト | 2005/05/29・東京競馬場 | ||||||||||||||||||||||||||||
衝撃の第2章。14万人を超す大観衆が、歴史の瞬間に立ち会った。勝負どころでGOサインを受けたディープインパクトに、ユタカのステッキが飛ぶ。グングンと加速した。不動の主役はラスト3F33秒4の驚異の末脚をさく裂させ、府中の長い直線を自分のためだけの舞台に変えてしまった。
激しいイレ込みで、スタート直後に大きくつまずいた皐月賞の悪夢がよぎる。しかし、少し遅れたものの許容範囲。絶妙の仕掛けで進路を切り開いていく。そして、規格外のエンジンに火がついた。 踏ん張るインティライミを残り150メートル付近で一瞬にしてかわすと、ユタカはゴール手前で手綱を押さえた。もう追わなくていい。勝った。8、966頭の頂点に立った。振り返る必要もない。後続には5馬身の差がついていた。 92年のミホノブルボン以来となる無傷での2冠制覇。ファンは多くの夢を託した。単勝110円は94年のナリタブライアンを、単勝支持率73・4%は73年のハイセイコーを超える、ダービー歴代1位。そして、ディープは驚がくの能力で他の17頭の夢を一瞬で消し去っただけでなく、時代を一色に染めた、過去のヒーローたちまでも凌駕(りょうが)した。視線の先にあるのは、シンボリルドルフ。唯一無二の無敗の3冠馬しかない。
次はもちろん3冠への挑戦。「ボクが一番見てみたい気持ちかもしれない。まだ5戦目。まだまだ強くなる」と武豊も期待を込めた。今後は1週間から10日間ほど、きゅう舎で休み、それから放牧に出すか、栗東に滞在して秋に備える予定。衝撃の第3章へ、無敗で菊花賞を制すため、ディープは進化を続けていく。(中江 寿) |
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